2008 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患動物モデルにおけるアポトーシスシグナル伝達経路と幹細胞動態の解析
Project/Area Number |
20591284
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
問山 健太郎 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部附属病院, 助教 (00433285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 容子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60405248)
小澤 誠一郎 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40405246)
濱岡 建城 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 教授 (60189602)
佐藤 恒 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60453106)
白石 公 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80295659)
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Keywords | 先天性心疾患 / 心筋細胞 / アポトーシス / 幹細胞 / 心不全 |
Research Abstract |
【研究の目的】本研究では、低酸素、容量負荷、圧負荷など様々な原因により生じる小児期の心不全の細胞分子生物学的な病態をより正確に把握することを目標として、先天性心疾患の動物モデルを作製する。先天性心疾患に特徴的なチアノーゼ(低酸素)と容量負荷(シャント)の幼若動物モデルを作製し、1)心筋細胞のapoptosis動態、2)signal伝達機構のメカニズム、3)心筋細胞の再生と幹細胞動態について詳細な検討を行う。この結果、心移植にかわる慢性心不全の治療法として、心筋細胞移植や心筋組織移植などの再生治療が可能になると考える。【研究実施計画】先天性心疾患児モデルとしてチアノーゼモデル(10%の低酸素)と容量負荷モデル(腹腔内でシャントを作成)を作成し、心筋組織の形態変化(肥大、apoptosis)と生化学的変化(apoptosisのsignal pathway)を検討した。方法として、それぞれの負荷終了後心筋組織を採取し、1)心筋apoptosisを評価する目的でTUNEL染色、2)apoptosisのsignal pathwayを解析する目的で、FasL、casoase9、ASK1の心筋のウエスタンブロット、3)さらにその上流のsignalを解析する目的で、小胞体ストレスのマーカーであるCHOPのRT-PCRを施行した。結果としては、1)低酸素負荷群のTUNEL陽性率(0.13±0.017%)は、無処置対照群(0.079±0.030%)と比較して有意に高値であり、容量負荷群のTUNEL陽性率(0.25±0.059%)は、シャムope群(0.075±0.014%)と比1鮫して有意に高値でった。2)心筋を用いたウエスタンブロットでは、FasLについては無処置対照群と低酸素群、シャム群と容量負荷群とで有意差を認めなかった。しかしcaspase9およびASK1については無処置群よりも低酸素群、シャム群よりも容量負荷群でそれぞれ有意な亢進を認めた。3)CHOPのRT-PCRでは、無処置群と比較して低酸素群において有意な亢進を認めた。以上より、低酸素および容量負荷は心筋細胞においてASK1を介するapoptosisを誘導し、ASK1の上流のsignalについてその詳細は現在解析中だが、低酸素負荷については小胞体ストレスが関与していることが分かった。
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Research Products
(1 results)