2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591290
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80288472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井平 勝 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (10290165)
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Keywords | HHV-6 / 初感染 / 移植後脳炎 / サイトカイン |
Research Abstract |
【緒言】HHV-6初感染時の脳炎と造血幹細胞移植患者に認められたHHV-6脳炎症例との病態の相違を明らかにする。 【対象と方法】対象は初感染時HHV-6脳炎・脳症22例、HHV-6初感染による複雑型熱性痙攣6例(HHV-6FC群)およびHHV-6感染を否定された複雑型熱性痙攣19例(非HHV-6FC群)の3群。いずれも発症後48時間以内に脳脊髄液(CSF)を採取されている。さらに、造血幹細胞移植後HHV-6脳炎症例7例(移植後HHV-6脳炎群)と成人コントロール8例についても検討した。CSF中HHV-6DNA量はreal-time PCR法により測定。また、CSF中サイトカイン量(IL-8、IL-1β、IL-6、IL-10、TNF-α、IL-12p70)はCytometric Bead Array(CBA)(BD Biosciences)によって、CSF中MMP-9とTIMP-1はELISA(Amersham Biosciences)によって測定した。 【結果】HHV-6脳炎・脳症22例中7例(31.8%)でCSF中からHHV-6DNAが検出(13.2±39.1copies/ml)されたが、他の2群ではHHV-6FC群1例(292.5copies/ml)を除き陽性例はなかった。一方、移植後HHV-6脳炎群では全例でウイルスDNA陽性となり、CSF中ウイルスDNA量も464090.4±1185622.0copies/mlと非常に高値く、初感染時HHV-6脳症・脳炎群と比較し有意に高値を示した(P<0.001)。成人コントロールは全て陰性だった。CSF中サイトカイン及びMMP-9/TIMP-1については、初感染時HHV-6脳炎・脳症のCSF中IL-8(P=0.008)、IL-6(P=0.030)及びMMP-9(P=0.004)とTIMP-1(P=0.002)が非HHV-6FC群と比較して有意に高値を示した。しかしながら、初感染時HHV-6脳炎・脳症のCSF中サイトカイン、MMP-9は、HHV-6FC群と比較して有意な差を認めなかった。また、HHV-6FC群、非HHV-6FC群間ではCSF中のこれらバイオマーカー濃度に差はなかった。 【考察】HHV-6脳炎は初感染時と再活性化時(移植患者での脳炎)では病態が異なることが推察された。
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Research Products
(4 results)