2008 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内胎児発育不全児におけるメタボリック症候群の発症予防の栄養戦略に関する研究
Project/Area Number |
20591296
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 昌弘 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (40343206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 彰久 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60303624)
中山 淳 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30452197)
伊東 真隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (40464143)
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Keywords | 胎児発育不全 / メタボリック症候群 / 栄養管理 / 中枢神経障 |
Research Abstract |
【目的】胎児発育不全(FGR)児の栄養管理に関しては、「メタボリック症候群の予防管理」と「神経学的予後改善のための管理」が相反しており、解決策を見いだせていない。本研究はFGR児において、メタボリック症候群発症と中枢神経障害との双方を回避できるFGR児の栄養管理方法を確立する足がかりとすることを目的とする。【方法】本年度は、FGRモデルラットは母獣に合成トロンボキサンA2を持続投与する方法にて作成をし、FGRラットに生後に過剰な栄養を与え、ヒトにおけるメタボリック症候群に類似したモデルの作成を試みた。生後の栄養介入により、FGR栄養正常群、FGR栄養制限群、FGR栄養過剰群、対照群に分けて、体重増加、血圧、耐糖能、中性脂肪、総コレステロール、レニン活性について検討を行った。併せて、神経学的予後として、FGR栄養正常群と対照群についての生後早期の基本的な運動機能および神経反射、若齢期の基本的行動様式および活動量の評価をおこなった【結果】生後の体重変化については、FGR栄養過剰群の体重が他の3群に比して有意に重かった。耐糖能は傾向ブドウ糖負荷試験をおこなったが、有意差はなかったものの、FGR栄養過剰群は負荷15分において他の3群に比して血糖値が高い傾向にあった。レニン活性には差は認めなかったが、中性脂肪および総コレステロール値では、FGR栄養過剰群は他の3群に比して有意に高い値を示した。生後早期の基本的な運動機能および神経反射についての検討では、FGR投与群において有意に得点が低くく、若齢期における行動実験では、FGR投与群において有意に学習能力が劣る結果が示された。【考察および結論】生後の栄養介入にてメタボリック症候群動物を作成することに成功した。FGRラットにおいて神経学的予後不良を示すことができたので、来年度以降は栄養介入をした群における行動評価をおこない、併せて中枢神経における組織学的・分子生物学的変化の検討を予定する。
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Research Products
(4 results)