2008 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛細胞の血管内皮様分化における細胞系列並びに分化誘導刺激の特異性に関する研究
Project/Area Number |
20591301
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福嶋 恒太郎 Kyushu University, 大学病院, 助教 (40304779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月森 清巳 九州大学, 大学病院, 講師 (90253450)
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Keywords | 絨毛細胞 / 血管内皮様分化 / HIF1A |
Research Abstract |
本課題では1)絨毛細胞の血管内皮様分化であるtube formationにおける、分化刺激(細胞外基質、低酸素)特異性、細胞特異性を有する遺伝子の動的変化、2)血管内皮様分化に重要なシグナル伝達径路、遺伝子機能、3)臨床検体(疾患胎盤)での動態を明らかにすることで、絨毛細胞の分化なかでも血管内皮様分化のメカニズムとその調節およびその臨床的意義、血管内皮細胞との共通点や相違点を明確化することを目的とした。本年度は、絨毛細胞の血管内皮分化に重要な分子機構を明らかにするために、ヒト不死化絨毛細胞TCL1ならびにヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞HUV-EC-Cがともにマトリゲル上で示すtube-like formationにおける遺伝子変動を比較した。 その結果、TCL1のtube formationで有意な発現増幅・減少を示す遺伝子のうち血管内皮細胞において同様の変化を示す遺伝子は約10%とごく一部であることがわかった。すなわちEVTと血管内皮はマトリゲルの刺激により同じ形態変化を示すが細胞の種類によってその機構が異なっていることがわかった。さらに、TCL1に特異的に変動する遺伝子の中から、低酸素環境への反応に関わることが知られている転写因子Hypoxia inducible factor 1 alpha(HIF1A)遺伝子に着目し検討を行ったところ、HIF1AはTCLの血管内皮様分化の過程でRNA、蛋白発現が上昇しており、その発現および転写活性とtube formation能が相関していることがわかった。このことから、絨毛の浸潤過程において寡能性EVTは細胞外基質や液性因子のみならず酸素濃度など周囲の環境を調節因子としてこれに適応するように分化していると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation]2008
Author(s)
福嶋恒太郎, ほか
Organizer
第16回 日本胎盤学会
Place of Presentation
浜松市
Year and Date
2008-11-13
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