2010 Fiscal Year Annual Research Report
胎児副腎の構造的・機能的リモデリングにおける神経細胞接着因子NCAMの役割
Project/Area Number |
20591305
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
峰岸 一宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30276331)
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Keywords | 胎児副腎 / NCAM / Syndecan-3 |
Research Abstract |
[目的] ヒト胎児副腎は,妊娠の維持,胎児諸臓器の成熟,分娩の発来に関与する重要な臓器であるが,その発育や機能の制御機構については未だ不明な点が多い.本年度では,Syndecan-3(SDC3)の胎児副腎層形成機構における役割,特に分化抑制への関与を胎児副腎in vitroモデルを用いて検討した. [方法] 1.胎児副腎in vitroモデルのNCI-H295A細胞において,SDC3-siRNA導入により発現抑制を実施. 2.NCI-H295A細胞でのSDC3発現抑制によるFZ細胞特異的分子マーカーであるP450c17,Low Density Lipoprotein receptor(LDL-R),Secreted Protein Acidic and Rich in Cysteine(SPARC)の発現変化を定量的RT-PCRで検討. 3.NCI-H295A細胞において,SDC3発現抑制によるステロイド産生(コルチゾール,DHEAS)への影響について検討. [結果] 1.SDC3発現抑制により,FZ細胞特異的分子マーカーのP450c17,LDL-R,SPARCのmRNAレベルでの発現が増加した. 2.SDC3発現抑制により,コルチゾール産生は変化を認めなかったが,DHEAS産生は有意に増加した. [結論] SDC3は,細胞増殖に関与するだけではなく,分化抑制に関与し胎児副腎発育における層形成機構の一因子として機能していることが示唆された.
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