2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591306
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
奥村 彰久 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60303624)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 昌弘 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (40343206)
山本 俊至 東京女子医科大学, 付置研究所, 准教授 (20252851)
|
Keywords | 胎児発育不全 / RNA発現 / 脂肪酸組成 / トロンボキサンA2 / ドコサヘキサエン酸 |
Research Abstract |
今年度はFGRモデルラットを用い、胎児胎盤系の機能不全が胎仔の中枢神経系に与える影響についてRNA発現解析を行うとともに、母体への栄養投与による介入法の可能性について検討した。 FGRモデルラットは、SD系妊娠ラットに浸透圧ポンプを母獣の腹腔内に埋め込み、合成トロンボキサンA2を20ng/時で投与してFGRを誘導した。対照ラットは無処置の母獣から出生した新生仔とした。日齢0における新生仔の発育は、トロンボキサンA2群で有意に抑制されていた。日齢1のFGRモデルラットから大脳を摘出し、全RNAを抽出して増幅した後、4×44Kのマイクロアレイを用いて全mRNAの発現パターンを解析した。その結果、FGRラットと対照ラットとの間で、10倍以上発現が低下している遺伝子が73個、10倍以上発現が亢進している遺伝子が55個同定された。発現が低下している遺伝子にはaquaporin 4遺伝子やcorticotropin releasing hormone遺伝子が、発現が亢進しているものにはfatty acid binding protein 9遺伝子やapolipoprotein A-IV遺伝子などが含まれていた。 また、FGRモデルラットの母獣に対し脂肪酸組成の異なる2種類の飼料を与え、胎仔の脳の脂肪酸組成への影響を検討した。通常群は通常の飼料をドコサヘキサエン酸(DHA)強化群は1kg当たり5.8gのDHAを含む特殊飼料を与えた。日齢1および7に仔ラットから脳全体を取り出して全脂肪を抽出し、ガスクロマトグラフィーにて各脂肪酸を定量した。その結果、日齢1および7の両者でDHA強化群で通常群に比べてDHAが有意に高値で、アラキドン酸が低値であった。この結果、母獣DHA投与により仔の脳のDHA増加をもたらすことが示された。
|
Research Products
(29 results)