2009 Fiscal Year Annual Research Report
PCRを用いたゲノムワイドな遺伝子解析法の開発とその出生前診断への応用
Project/Area Number |
20591308
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
松岡 隆 Showa University, 医学部, 助教 (20349111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 准教授 (10245839)
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Keywords | 単一細胞 / PCR / 全遺伝子増幅 / DNA抽出 / FISH |
Research Abstract |
母体血中有核赤血球を用いた遺伝子診断を行うために単一細胞レベルで遺伝子診断を行う手法の開発が不可欠である。そこで、この研究では、全染色体領域を対象にゲノムコピー数の変化を一度に解析することを目的にゲノムワイドの定量的PCRシステムを開発することを目標に研究をすすめている。具体的には、単一細胞から抽出したDNAを全遺伝子増幅した後、21番、18番、13番、X、Y染色体の5種類の染色体で数箇所ずつの特異的遺伝子領域を標的にPCR増幅し、正常の単一細胞で同様に行った遺伝子産物量と比較することで単一細胞レベルでの遺伝子の増減評価を計画している。さらに、SNPs解析も同時に行うことで、その細胞の由来についても同定できるシステムを構築する予定である。 その為に、単一細胞から効率的に安定してDNA抽出する方法及び全遺伝子増幅法を確立が不可欠である。DNA抽出法には、熱変性法、酵素法、アルカリ法などがある。今年度、各種方法の中で、高濃度のproteinase Kを用いる方法が最も効率よく単一細胞からDNA抽出できることがわかった。次に、DNAの効率的な全遺伝子増幅法の検討では、Multiple Displacement Amplification (MDA)テクノロジー、REPLI-gテクノロジー(REPLI-g Mini Kit : Quiagen)、GenomePlex® ; Whole Genome Amplification (WGA) Kit (SIGMA)などの既存の全遺伝子増幅キットを用いて検討を行った。しかし、どの方法によっても遺伝子増幅される割合は50%程度の細胞サンプルであることもあり、全遺伝子領域が均一に増幅されているかどうかの判断までには至らなかった。そういう状況もあり、単一細胞の遺伝子診断に当面はFISHが最適であるとの認識から、FISH法の最適化にも取り組んだ。
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