2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591310
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
富田 幸子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (40231451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 恭子 三重大学, 医学研究科, 准教授 (00242967)
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Keywords | 冠動脈 / 形態形成 / テネイシン / 発生 |
Research Abstract |
心臓を栄養する冠動脈は、発生初期の心外膜前駆組織由来細胞から形成されることが明らかとなって以来、様々な手法で冠動脈形成に関与する分子が報告されている。我々は冠動脈形成を2つの時期に焦点を当て研究を計画した。今年度は、2種類のキメラを用いて大動脈基部における冠動脈の開口形成について心臓神経堤細胞、心外膜前駆由来細胞との関連性を検討した。すでに我々が作成した各発達段階での心外膜前駆由来細胞の心臓内における分布図を参考にして、ウズラーニワトリ胚間で心外膜前駆組織および心臓神経堤を移植するキメラを作成した。ウズラ胚の冠動脈開口時期はHamburger-Hamiltonステージ30-31であるためこの前後のステージ胚の冠動脈開口部をQCPN抗体、QH1抗体を用いて検討した。開口部には心外膜前駆組織由来細胞と心臓神経堤細胞の両細胞が内皮形成に関与していることが判明した。心臓神経堤細胞を発生初期胚で機械的に切除すると大動脈と肺動脈を境する中隔(大動脈-肺動脈中隔)が形成されずに1本の流出路である総動脈幹遺残という異常を作成することができる。この異常心の冠動脈開口部を精査したところ単一開口や2個の開口部があるものの部位異常が見出された。このことから心臓神経堤細胞が冠動脈開口部に関与していることが裏付けできた。細胞外基質糖タンパクであるテネイシンCは、上皮-間葉/間葉-上皮細胞転換や神経堤細胞の細胞運動を制御するといわれているが、本研究で冠動脈開口部の発現を検討したところ、ウズラ由来細胞周囲に発現を認めた。今後、冠動脈開口部の平滑筋細胞の由来の検討と、テネイシンC発現の詳細な検討が必要であると思われた。
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Research Products
(4 results)