2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原ヒト化マウスを用いた後天性表皮水疱症モデルの作成と新規治療法開発への応用
Project/Area Number |
20591312
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芝木 晃彦 Hokkaido University, 病院, 講師 (40291231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 真志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60222551)
伊藤 圭 北海道大学, 病院, 助教 (20421977)
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Keywords | 皮膚病理学 / 免疫 / 治療 / 臨床 / 細胞・組織 / 自己免疫性疾患 / 動物モデル / リンパ球 |
Research Abstract |
VII型コラーゲン(COL7)はアンカーリングフィブリルの構成分子で, 基底膜を介して表皮と真皮との接着をつかさどる重要な基底膜構成蛋白である。COL7に対して自己抗体が生じると自己免疫性疾患である後天性表皮水疱症(EBA)が発症すると考えられているが、現在まで自然発症動物モデルも、in vivoにおいて自己抗体産生を誘発させるモデルマウスも確立されていないため、発症病理メカニズムについての詳細な検討は未だなされていない。本研究の目的は、in vivoの系においてヒトCOL7に対するIgG抗体を産生するEBAモデルマウスを作成し、生物製剤をはじめとした治療法の検証と新たな治療法の開発を行うことである。生後8〜12週齢のC57BL/6マウスにリコンビナントヒトCOL7をアジュヴァント(CFA)とともに免疫、経時的に採血した血清中の抗ヒトCOL7抗体の産生を蛍光抗体間接法、ウェスタンブロット法で検討した。免疫したマウスは約3週後から蛍光抗体間接法で表皮基底膜に沈着するIgG抗体の産生がみられた。抗体価の動きを見たところ、抗体価は経時的に上昇し、5120倍まで陽性であった。抗体のサブクラスはIgG1、IgG2cが主であった。IM食塩水で処理したヒト皮膚を用いた蛍光抗体間接法では、表皮側に抗体沈着が見られた。また、リコンビナント蛋白を用いたウェスタンブロット法では290kDのCOL7分子を認識する抗体で有ることが確認された。 抗ヒトCOL7抗体産生を誘発したマウスより脾細胞を調整し、ヒトCOL7を発現するマウスへ移植したが、明らかなフェノタイプの変化は観られなかった。今後は免疫不全マウスであるRAG2ノックアウトマウスと交配した、COL7ヒト化免疫不全マウスを用いて移植実験を行う予定である。
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Research Products
(4 results)