2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗原ヒト化マウスを用いた後天性表皮水疱症モデルの作成と新規治療法開発への応用
Project/Area Number |
20591312
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芝木 晃彦 Hokkaido University, 大学病院, 講師 (40291231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 真志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60222551)
伊藤 圭 北海道大学, 大学病院, 助教 (20421977)
|
Keywords | 皮膚病理学 / 免疫 / 治療 / 臨床 / 細胞・組織 / 自己免疫性疾患 / 動物モデル / リンパ球 |
Research Abstract |
VII型コラーゲン(COL7)はアンカーリングフィブリルの構成分子で,表皮と真皮との接着をつかさどる重要な基底膜構成蛋白である。COL7に対して自己抗体が生じると自己免疫性疾患である後天性表皮水疱症(EBA)が発症すると考えられているが、現在まで自然発症動物モデルも、in vivoにおいて自己抗体産生を誘発させるモデルマウスも確立されていないため、発症病理メカニズムについての詳細な検討は未だなされていない。本研究の目的は、in vivoの系においてヒトCOL7に対するIgG抗体を産生するEBAモデルマウスを作成し、新たな治療法の開発を行うことである。前年度の研究において、生後8~12週齢のC57BL/6マウスにリコンビナントヒトCOL7をアジュヴァント(CFA)とともに免疫したところ、免疫の約3週後から高力価の抗ヒトCOL7IgG抗体の産生がみられることが明らかになった。そこで、COL7ヒト化新生児マウスにリコンビナントヒトCOL7で免疫したマウスのIgG抗体を腹腔内投与したところ、皮膚基底膜にIgG抗基底膜抗体の線状沈着が認められたが、明らかなフェノタイプの発現はみられなかった。また、抗ヒトCOL7抗体産生を誘発したマウスより脾細胞を調整し、ヒトCOL7を発現するマウスへ移植したがドナー細胞の良好な正着をえられず、フェノタイプの発現はみられなかった。この問題を克服するため、現在免疫不全マウスであるRAG2ノックアウトマウスと交配した、COL7ヒト化免疫不全マウスを作成中である。
|