2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚有棘細胞癌におけるRafキナーゼ抑制蛋白の抗腫瘍効果解析と,治療的応用の検討
Project/Area Number |
20591313
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
六戸 大樹 Hirosaki University, 医学部附属病院, 助手 (50436036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 創 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90281922)
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 分子生物学 / MAPキナーゼ / RNAi / 細胞増殖 |
Research Abstract |
RKIP発現の安定調節SCC細胞株を用いて、RKIPの発現量を増加させた際のp-ERKレベルを調べたが、RKIP発現増加によるMAPK活性は変化しなかった。そこで、siRNAを用いたRKIP抑制を試み、RKIP siRNA導入細胞では、control siRNA導入細胞に比べて、mRNAレベル、タンパクレベルにおいて約80%のRKIP発現抑制効果が見られた。しかし、このRKIP抑制でもMAPK経路に対する抑制効果が確認されなかったため、さらなるRKIP発現抑制を図るために、RKIPのcDNA配列を逆向きに組み込んだベクターを作製しstable cell lineを作製したが、その細胞株でもRKIP発現の効果は十分確認されなかった。今後、市販のshRNA vectorを用いて安定細胞株を作製してRKIP発現抑制できないかを検討中である。接着因子であるE-cadherinは癌の転移との関連性が示唆されている。SCCにおいて、RKIPの発現が、E-cadherinの発現量に影響を与えているか、RKIPを増減させてウエスタンブロットで検討したが、RKIP発現量とE-cadherinには有意な関連性は見いだされなかった。一方、最近、細胞分裂の周期によっては、RKIPがリン酸化されて核内に移行するとの報告があり、われわれの実験系で用いているタグ付きRKIPが、正常RKIPと同様の動態を示すか、免疫蛍光染色を用いて確認する実験を検討中である。 また、収集されたSCC患者の組織でのRKIP、p-ERK、total ERKの発現を検討するため、免疫組織化学染色を行った。これまでの患者の検討では、RKIPとp-ERKに逆相関は見られなかったが、分化度とRKIP発現に正の相関があることが推察された。平成22年度は、さらに症例数を追加して、その正の相関を統計学的に確認する。
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Research Products
(2 results)