2008 Fiscal Year Annual Research Report
p53類似遺伝子p51/p63とMafによる表皮細胞の制御機構
Project/Area Number |
20591314
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥山 隆平 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80292332)
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Keywords | 表皮細胞 / p51 / p63 / シグナル伝達 / Perp / 乾癬 / Bach |
Research Abstract |
p51/p63は表皮細胞の制御に深く関わっていることが遺伝子欠失マウスの解析から明らかになっている。しかし、P51の作用メカニズムは十分明らかではない。表皮細胞ではアポトーシス関連遺伝子Perpの転写がp51によって誘導されることが報告されている(Ihrie RA, et.al. Cell, 120:843-856, 2005)。この報告でPerpはアポトーシスではなく接着因子の1つであるDesmoplakinの発現を制御していた。私たちはp51の作用メカニズムを明らかにするため、Perpの転写調節に焦点をあてて解析をスタートした。最初にPerpの転写調節領域が存在する5'領域をクローニングしてluciferase vectorに組み込んだものを作成した。このvectorを使ってPerpの転写に対するp51の作用を調べたが、Ihrieらの報告に反してP51はPerpに対して明らかな効果は示さなかった。現時点の自分たちの実験結果からはp51によるPerpの制御は認められなった。Ihrieらのものと異なるのはなぜなのか、その原因は不明であるが、p51の作用メカニズムを解明する点においてPerp以外の面にも焦点をあてるべきと考えた。Ihrieらの報告ではPerpはDesmoplakinの発現を調節していることが指摘されている。そこで接着因子に着目して、P51によって発現が変動する接着因子をまずスクリーニングした。その結果、未分化な表皮細胞で特異的に発現するIntegrinsの他、Desmoplakinの発現がp51によって正に制御されていることがわかった。一方、Desmogline 1/3やE-Cadherinの発現には変化はみられなかった。Integrinsは表皮細胞の増殖分化に密接に関わっている。一方、Desmoplakinは上皮細胞としての細胞同士の接着や細胞強度に関わることから表皮細胞が上皮として働く上で重要な分子であると思われる。P51によるDesmoplakinの制御機構に今後焦点をあてて解析を進める予定である。
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Research Products
(8 results)