2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591318
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高田 実 Shinshu University, 医学部, 准教授 (20154784)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 浩 信州大学, 医学部, 助教 (70262722)
|
Keywords | 悪性黒色腫 / 分子標的治療 / 末梢血循環腫瘍細胞 / KIT遺伝子 / BRAF遺伝子 |
Research Abstract |
黒色腫の分子標的治療を効果的に行うためには、個々の症例の遺伝子変異に応じた分子標的薬を的確に選択する必要がある。そこで我々は簡便に個々の患者の遺伝子変異を検出する方法として、メラノーマ患者の末梢血循環腫瘍細胞(Circulating tumor cells ; CTCs)の分離と癌遺伝子変異の検出を試みた。stageIII,IVのメラノーマ患者8例の末梢血5mlと抗ヒトHMW-MAAマウス抗体を反応させ、次いで抗マウスIgG抗体結合磁気ビーズでメラノーマ細胞を分離した。さらに、抗CD45抗体結合磁気ビーズを用いて混入したリンパ球を除去し、得られた細胞をMART-1抗体で免疫染色して、メラノーマ細胞を確実に同定した。これらのメラノーマ細胞をレーザーマイクロダイセクションで回収し、DNAを抽出してPCRで増幅し、BRAFおよびKIT遺伝子のシークエンスを行った。この方法により、8例全例の末梢血から1~40個のCTCsの分離に成功した。CTCsの遺伝子変異解析は、KITは8例中3例BRAFは5例全例で可能であった。CTCのKIT遺伝子はwild-typeが2例、V569G変異1例、BRAF遺伝子はwild-typeが3例、V600E変異1例、V600E/V600K変異1例であった。8例中6例で原発腫瘍・転移腫瘍・CTCsのいずれかにBRAFまたはKITの変異が検出されたが、興味深いことに3者の変異パターンはすべての例で異なっており、進行期メラノーマにおける腫瘍細胞クローンの多様性が示唆された。末梢血はその採取が容易であることから、今回確立された方法はメラノーマ患者の分子標的治療の適応をリアルタイムで決定するための優れたバイオマーカーとなると考えられる。
|
-
-
[Journal Article] NADPH oxidase (Nox) 4 contribute to transformation phenotype of melanoma cells by regulating G2-M cell cycle progression.2009
Author(s)
Yamaura M, Mitsushita J, Furuta S, Kiniwa Y, Ashida A, Goto Y, Shang WH, Kubodera M, Kato M, Takata M, Saida T, Kamata T :
-
Journal Title
Cancer Res 69
Pages: 2647-2654
Peer Reviewed
-
-
-
-