2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚紫外線発癌における表皮角化細胞Stat3シグナルの関与
Project/Area Number |
20591322
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
横川 真紀 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 助教 (40346721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 研 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (20274392)
寺石 美香 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (40437736)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80273621)
高石 樹朗 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (10303223)
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Keywords | 紫外線 / 発癌 / 表皮角化細胞 / Stat3 |
Research Abstract |
〔1〕 紫外線発癌系における表皮角化細胞Stat3の役割 〔2〕 表皮Stat3活性型マウス(K5.Stat3C)を用いた紫外線発癌実験 昨年度の研究にて、K5.Stat3Cマウスに紫外線(UVB)2kJ/m^2を週3回照射すると14-16週頃に耳介に皮膚癌が発生することが示された。そこで、紫外線照射により発生させた耳介の皮膚癌および前癌病変にSTAT3シグナルを阻害する小分子STA21を週3回塗布した。塗布していない対側の耳介において有意に皮膚癌の進展および発生がみられ、STA21による紫外線誘発皮膚癌の進行抑制効果が示唆された。しかし、同時に組織RT-PCRによりStat3下流の分子(c-Myc、cyclinD1,Bcl-xL)の発現レベルを解析したが、個体差が大きく一定の傾向を見いだせなかった。さらに、STA21塗布と紫外線照射を平行して行ったところ、発癌抑制効果が示唆される結果が得られた。 一方、正常マウスでは紫外線30週照射にて約40%の個体に耳介腫瘍(spindle cell tumor)が発生することが明らかとなった。これら腫瘍の一部でStat3活性化を確認し、Stat3シグナルが関与した腫瘍であると推測した。K5.Stat3Cマウスと同様に、STA21塗布と紫外線照射を平行して行ったところ、STA21を塗布した耳介に腫瘍は発生しなかったが、塗布していない対側の耳介に有意差を持ってspindle cell tumorが発生した。つまり、正常マウスにおいても紫外線によりStat3シグナルが関与する腫瘍が発生し、STA21塗布によりその発生が抑制されることが明らかとなった。
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