2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の転移におけるコネキシン26の役割の研究と転移阻害薬の開発
Project/Area Number |
20591325
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
浅田 秀夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60252681)
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Keywords | 悪性黒色腫 / コネキシン26 / ギャップ結合 / 内皮細胞 / 転移 |
Research Abstract |
悪性黒色腫は早期にリンパ行性・血行性に身体の各所に転移をきたすため、皮膚癌のうちでも、最も予後不良の悪性腫瘍のひとつとして知られている。われわれは悪性黒色腫の転移において、悪性黒色腫と内皮細胞の間のコネキシン26(Cx26)によるギャップ結合の形成が重要な役割を担っていることを見いだし、このCx26分子の働きを阻害することにより腫瘍の転移を阻止する治療薬の開発を目指して研究を進めている。これまでにマウスCx26のアミノ酸配列から細胞外ドメインと予測される部分を2か所選定し、各々の部位について、抗原として最適と思われるペプチド配列を決定し、これらのペプチド抗原に対する高力価の精製抗体を得た。当該年度は、高転移型悪性黒色腫細胞株BL6をマウスの足底に移植し、2週間後に移植局所で増殖した腫瘍は切除し、肺への転移をコロニー数のカウントにより評価する転移評価モデルを用いて、今回作製した抗Cx26抗体による転移阻止効果を検討した。移植前後の様々なタイミングで、種々の量の抗Cx26抗体をマウス尾静脈から静注し、悪性黒色腫細胞の肺への転移を経時的に測定し、抗体による悪性黒色腫の転移抑制効果を解析した。その結果、作製した抗体は、単独投与では転移抑制活性が認められなかったが、2種類の抗体を同時に、悪性黒色腫の移植前から投与開始した群では、コントロール抗体投与群と比較し、統計学的に有意差は得られなかったものの、肺転移率が低下する傾向がみられた。
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Research Products
(4 results)