2008 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の進展に伴う宿主免疫抑制の機構と効果的な養子細胞移入療法の研究
Project/Area Number |
20591326
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
村上 孝 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (00326852)
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Keywords | メラノーマ / 免疫抑制 / 養子細胞移入療法 / 未熟骨髄由来細胞 |
Research Abstract |
メラノーマ抗原(gp100/pmel)特異的T細胞受容体(TCR)を有するトランスジェニックマウス(Pmel)個体において、マウスB16メラノーマ細胞をC57BL/6マウスの皮下に移植した。その結果、腫瘍特異的TCRを有するマウスにもかかわらず、拒絶されずに腫瘍が増大することが判明した。また、Pmel^+/^+Rag1^-/^-マウスにおいても同様であることから本マウスモデルにおいて、制御性T細胞(Treg)生成に依存しない宿主因子の関与が示唆された。そこで、腫瘍増大に伴う未熟骨髄細胞集団に注目し、Gr1^+CDllb^+細胞集団の増加について試験した。その結果、wild type(WT)C57BL/6マウスおよびPmelマウスにおいてもB16メラノーマ皮下腫瘍の増大に伴いGr1^+CD11b^+細胞の増加が観察された。生成したGr1^+CD11b^+細胞の一部は腫瘍組織内においても浸潤していることが免疫組織化学法により観察することができた。これらのGr1^+CD11b^+細胞をPmelマウス由来の活性化型CD8^+T細胞のメラノーマ細胞傷害活性をin vitroで抑制することができた。次に、このGr1^+CD11b^+細胞の増加起点を探る目的で、IL-4もしくはIL-12cDNAを-過性に発現させたB16/F10細胞を皮下に移植したところ、IL-4発現によってGr1^+CD11b^+細胞集団が顕著に誘導されることが判明した。マウスの遺伝学的背景に注目し、Th2表現型が誘導され易いBalb/cマウスに大腸がん細胞株Colon26を接種したところ、顕著なGr1^+CD11b^+細胞の増加が観察され、IL-4発現によってさらに促進された。これらの結果は、腫瘍増大に伴うGr1^+CD11b^+未熟骨髄細胞集団はTh2型免疫反応によって誘導され易いことが強く示唆された。
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Research Products
(5 results)