2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を用いた難治性潰瘍の遺伝子治療
Project/Area Number |
20591333
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安川 香菜 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (10419202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝木 晃彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (40291231)
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Keywords | 皮膚炎症 / 再生医療 / 免疫 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
計画-1:in vivo(局所注射)におけるHDACI(ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤)の外来遺伝子(β-galacsidase;β-gal)発現増強の検討を行った。半減期の異なる3種のHDACIすなわちCHAP31,TSA-1,FK228は全て局所注射にてラット皮膚でのβ-galの発現を増強した。真皮組織の線維芽細胞の10%ほどがβ-gal染色に陽性であり、蛋白レベルの増強が確認された。各HDACI間で発現増強の程度に差はなくRNAレベルでも発現に差はなかったが、半減期の長いCHAP31がもっとも発現の増強が持続した。 計画-2:in vivo(局所外用)におけるHDACIの外来遺伝子(β-galacsidase)発現増強の検討を次にそれぞれのHDACIにて行った。HDACIの濃度が低いとβ-gal発現の増強が弱く、HDACIの濃度を高めるとその細胞傷害性が前面にでて外用部位に刺激反応をおこしてしまった。いろいろな濃度で検討をくりかえしたが、HDACIの局所注射に比べ局所外用では外来遺伝子発現増強は困難を極めた。 計画-3:局所注射による成長因子遺伝子発現増強と創傷治癒促進効果の検討。外来遺伝子をβ-galから創傷治癒を促進させるというInsulin-like growth factor(IGF-1)あるいはPlatelet-derived growth factor(PDGF)の遺伝子におきかえての実験である。実験1と同様に蛋白レベル、RNAレベルでの発現の増強が確認されている。あとこの結果が実際の臨床に結びつくか、すなわち作成された潰瘍を短期間で縮小することができるかを現在検討中である。 引き続き計画-4:局所外用による成長因子遺伝子発現増強と創傷治癒促進効果の検討。と計画-5:臨床応用への検討を行っていく予定である。
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