2009 Fiscal Year Annual Research Report
誘導型遺伝子改変マウスによるケラチン病に対する蛋白フォールディング調節療法の創生
Project/Area Number |
20591334
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
真鍋 求 Akita University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30138309)
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Keywords | ケラチン / 分子シャペロン / 蛋白フォールディング / 細胞死 |
Research Abstract |
ケラチン14をコードする遺伝子に点突然変異を導入した遺伝子改変マウスを作成するため、まずoverlapping PCRの手法を用いて、ケラチン14遺伝子の125番目のアルギニンをシステインに置換(Arg-125→Cys)した。こうして得られた変異ケラチン14遺伝子および野生型ケラチン14遺伝子をpIND/V5-Hisベクターに導入し、さらにAatIIおよびDraIIIを用いて、可能な限りベクターDNA部分を除去した。これらのDNA断片を用いて遺伝子改変マウスを作成し、上記の遺伝子が導入されていることをPCR法により解析した。 pVgRXRベクターには、レチノイドXレセプターとエクデイソン受容体をコードする2個の遺伝子が組み込まれている。レチノイドXレセプターとエクデイソンレセプターより形成されるヘテロダイマーにポナステロンAが結合し、pIND/V5-Hisベクターに存在するエクデイソンリスポンスエレメントに結合することにより、その下流域に組み込まれているWtおよびMut K14の転写が開始される。そこで、遺伝子改変マウスの角化細胞を、ポナステロンAを培養液中に添加し培養中である。pIND/V5-Hisベクターから発現される蛋白質にはタグ(His tagおよびV5 tag)が付着しているので、抗V5抗体を用いて、変異ケラチンの発現を免疫組織学的に確認した。その結果、変異ケラチンが発現により、既存のケラチン・ネットワークは球状の形態を取らず、またアポトーシスが誘導されてないことが判明した。 今後の計画として、予想と異なる所見が得られたことの原因を解析するため、胞体シャペロン群やユビキチンリガーゼなどの蛋白の品質管理に関与する分子群の動態をDNAマイクロアレイ、PCRおよび免疫ブロットにより解析する予定である。
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