2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトCD34陽性細胞移植NOGマウスを用いた経膣/経皮ウイルス感染モデルの開発
Project/Area Number |
20591340
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川村 龍吉 山梨大学, 医学部・附属病院, 講師 (70262657)
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Keywords | HIV / 動物モデル / 樹状細胞 / CCR5阻害薬 / NOGマウス |
Research Abstract |
ヒト化NOGマウス皮膚におけるヒト樹状細胞の解析: 予備実験においてヒトCD34血胞からDCへのin vivoでの分化が観察されたことから、ヒト化NOGマウスの背部にヒト皮膚(表皮+真皮)を移植し、3か月後に移植皮膚片を切除し、ヒトランゲルハンス細胞(LC)あるいはヒト樹状細胞(DC)の存在を蛍光免疫染色にて検討したが、LCおよびDCは存在しなかった。そこで、ヒト化NOGマウス背部皮膚に皮膚欠損を作成し、1か月後にその創傷治癒後の組織を免疫染色して検討したところ、ヒトHLA-DR陽性のヒトDCが真皮内に観察された。このことから、ヒト化NOGマウスでは創傷治癒過程においてヒトCD34陽性血液幹細胞由来の真皮樹状細胞が誘導可能であることが示された。 ヒト化NOGマウス膣のヒトLC/DC再構成実験: 我々は、正常マウス膣粘膜を損傷させるためにグリコール酸を膣内に注入した実験において、粘膜の完全欠損およびその再生を確認している。そこで、ヒト化NOGマウス膣内にグリコール酸を注入し粘膜創傷を作成し、4週後に創傷治癒後の組織を蛍光免疫染色にて検討した。しかし、同膣粘膜組織内にヒトLC/DCの再構成を確認することはできなかった。 経膣HIV感染モデルにおけるCCR5阻害薬のHIV感染予防効果の検討: 上記の如く、膣粘膜創傷後のヒトマウス膣にヒトLC/DCを再構成できなかったため、経膣HIV感染・AIDS発症の有無およびCCR5阻害薬のHIV感染予防効果の検討はできなかった。しかし、ヒト化NOGマウス皮膚におけるヒト樹状細胞の再構築は上記の如く可能であったことより、現在モデルを経膣感染から経皮膚感染へと変更し、体表の創傷治癒後皮膚にHIVを曝露したところ、真皮内ヒト樹状細胞がHIVに感染することが確認できた。
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