2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトヘミデスモソーム構成タンパク質の質量分析による網羅的解析
Project/Area Number |
20591341
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平子 善章 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 講師 (50377909)
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Keywords | 蛋白質 / 細胞・組織 / 生体分子 / 表皮水疱症 / ヘミデスモソーム |
Research Abstract |
平成21年度の研究により、カルシウム無添加の無血清角化細胞用培地KGM(インビトロジェン社)中で培養したDJM-1培養角化細胞からヘミデスモソーム(HD)を豊富に含む画分(HD-rich画分)を得る方法を確立した。この条件下で培養した細胞のマトリックスにはプロセシングを受けていないラミニン332のα3鎖とγ2がメジャーな成分として含まれていた。プロセシングを受けていないα3鎖とγ2鎖はラミニン332の蓄積と関係することが知られている。私はプロセシングが抑制されたためにラミニン332が蓄積し、その結果ヘミデスモソームが濃縮したのではないかと考えた。そこで、平成22年度の研究では、ラミニン332のプロセシング抑制とHD蓄積のメカニズムについて調べた。まず、表皮細胞においてラミニン332のプロセシング酵素として知られているBMP-1に注目して実験をおこなった。その結果、(1)BMP-1がカルシウム依存的に細胞外への分泌量が上昇すること、(2)BMP-1はカルシウム存在下においてのみ、活性型となっていることが明らかとなった。さらにNon-processed formのラミニン332を含むマトリックス上に、FRSK細胞をplatingし、3時間経過した時点でのHD形成を観察したところ、Processed formのラミニン332を含むマトリックス上にplatingしたFRSK細胞に比べてより早くHD形成が起きることがわかった。以上の実験結果から、カルシウム不含KGM下では、Ca2+依存性のBMP-1のプロテアーゼ活性が抑えられると同時に、分泌量も著しく低下する事で、non-processed formのラミニン332が蓄積されたのではないかと考えられた。また、Non-processed formのラミニン332はProcessed formに比べてより高いHD形成促進能をもつことが示唆された。
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Research Products
(4 results)