2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトヘミデスモソーム構成タンパク質の質量分析による網羅的解析
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20591341
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平子 善章 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50377909)
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Keywords | 蛋白質 / 細胞・組織 / 生体分子 / 表皮水疱症 / ヘミデスモソーム |
Research Abstract |
平成22年度におこなった研究により、DJM-1細胞から得たヘミデスモソーム濃縮画分中には、既知のヘミデスモソーム構成成分とラミニン332以外にも、マイナー成分ながら、数種類のタンパク質が含まれる事が質量分析の結果、明らかとなった。これらタンパク質について解析を進めた結果、膜貫通型タンパク質であるlutheranと細胞外マトリックスタンパク質Tinalがケラチノサイトの細胞・基質間接着に関わる分子として同定された。Lutheranはラミニン511の接着受容体として知られている。ラミニン511は、ヘミデスモソームのリガンドであるラミニン332とは異なり、インターヘミデスモソームの接着に関わると考えられている。このことから、ヘミデスモソーム濃縮画分にはヘミデスモソーム以外に、ラミニン511とlutheranを含む接着タンパク質複合体が含まれている可能性が考えられる。Tinalは、これまで上皮基底膜への局在は報告されていなかった。私たちの研究によって、Tinalは重層上皮だけでなく消化管単層上皮の基底膜にも局在している事がわかった。さらにケラチノサイトではTinalはIV型コラーゲンと相互作用している事、接着実験の結果から、Tinalがケラチノサイトの細胞・基質間接着を直接的に仲介し得ることが明らかとなった。臨床研究においても、皮膚科医との共同研究の結果、これまで検出が難しかった自己免疫性皮膚疾患の自己抗原の同定が、ヘミデスモソーム濃縮画分を用いる事で容易になる事が確かめられた。
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