2010 Fiscal Year Annual Research Report
表皮幹細胞と羊膜を利用した三次元培養皮膚の簡便大量作製法の開発
Project/Area Number |
20591347
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
亀田 健治 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 講師 (60363264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白方 裕司 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50226320)
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Keywords | 表皮幹細胞 / 羊膜 / SP細胞 / セルソーター / 三次元培養 |
Research Abstract |
簡便な三次元培養皮膚作製法を開発する目的で表皮幹細胞と羊膜に注目した。角化細胞の幹細胞としてはSP細胞について解析した。SP細胞は、幹細胞が色素を排出する特徴を利用し、ヘキスト33342による染色にて細胞を染色し、UVレーザーの照射により、ヘキストブルー、ヘキストレッドの蛍光強度陰性の特徴を持つ細胞として分離される細胞である。至適条件を検討したところ、ヘキスト33342の濃度は10μg/mlで37度、60分の染色がもっともよいことが明らかとなった。そこで継代数の異なる細胞を同時に培養し、SP細胞の比率について検討したところ、継代をかさねるとSP細胞の比率が低下することが明らかとなった。すなわち幹細胞を用いた培養皮膚作製については継代の少ない細胞集団からSP細胞を分離する必要があることが明らかとなった。真皮成分に相当する材料として羊膜に着目し、簡便な三次元培養皮膚の作製が可能であるかどうか検討した。正常ヒト線維芽細胞をコラーゲンゲル中で培養し、羊膜をゲルの上に密着させ、角化細胞を播種した。2日後に空気に曝露することにより重層化させた。病理組織所見では、基底細胞がコンパクトであり、その配列は正常皮膚により近いものであった。免疫組織学的検索では、羊膜付き三次元皮膚では基底膜成分は良好に発現しており、正常皮膚に非常に近いものであった。羊膜を用いることで良好な培養皮膚の作製が可能であった。今後、更に、培養条件を検討し,簡便な方法を確立することができれば、臨床応用への大量作製法につながると予想される。
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