2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫複合体病における治療ターゲットとしての活性酸素種及びNO,CO,H_2Sの解析
Project/Area Number |
20591349
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
清水 和宏 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80170968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20215792)
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Keywords | Arthus reaction / Carbon monoxide / Nitric oxide / Hydrogen sulfide / Immune complex disease |
Research Abstract |
免疫複合体病の機序を解明するには、適切な動物モデルが必要である。免疫複合体による炎症は感作したウサギにウマ血清を皮内注射する方法によりアルサス反応として1903年にアルサスにより記載された。その後抗体を皮膚に注射し、抗原を静注する逆アルサス反応がその簡便性と再現性の良さから現在では最も広く用いられている。この逆アルサス反応ではヒトの血管炎と同様の病理組織学的所見が認められ、免疫複合体病の適切な動物モデルとされている。よって炎症におけるガス状伝達物質である一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)の関与は興味あるところである。研究代表者の清水はこのモデルを使いCOを誘導するHeme oxygenase(HO)-1の活性化剤をマウスに投与し炎症反応の改善、HO-1の阻害剤投与にて炎症の悪化を確認し、すでに発表している。(Shimizu K et al.Clin Exp Immunol 153:245-257,2008) 一方硫化水素(H_2S)はNO、COに対し第3のガス状分子として注目されてきている。H_2Sはその毒性で知られているが、NO、COに比較してH_2Sのガス状伝達物質としての生体内での働きはいまだ不明の点が多い。H_2Sを発生させるNaHSをマウスに腹腔内投与し逆アルザス反応におけるH_2Sの影響を検討し、2009年12月に福岡で開催された第34回研究皮膚科学会において発表した。H_2Sは逆アルサス反応の皮膚病変において炎症反応のマーカーであるTNF-αmRNAの発現を低下させた。またL-selectin,Interferon-γmRNAの低下も同時に確認した。現在、結果をまとめ論文投稿準備中である。
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Research Products
(3 results)