2008 Fiscal Year Annual Research Report
メラニン生成関連遺伝子及び紫外線によるメラニン生成の制御機構
Project/Area Number |
20591357
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
伊藤 祥輔 Fujita Health University, 医療科学部, 教授 (70121431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 一雅 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80131259)
広部 知久 独立行政法人放射線医学総合研究所, 生体影響機構研究グループ, チームリーダー (10111238)
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Keywords | メラノサイト / メラノブラスト / ケラチノサイト / メラノソーム / メラニン / pink-eyed dilution / recessive yellow / ミトコンドリア |
Research Abstract |
pink-eyed dilution遺伝子のメラノソームの形成過程における役割を明らかにするため、電子顕微鏡を用いてpink-eyed dilutionとblack (P/P)と比較した。また、L-Tyrを加えて培養したメラノサイトについてもblackと比較した。その結果、pink eyed-dilution (p/p)マウスの培養表皮メラノブラストは、black (P/P)マウスのメラノサイトに比べ、第III期メラノソームがほとんどなく、成熟した第IV期メラノソームもなかった。第I、II期メラノソームはみられたが、ごくわずかであった。ところがp/pメラノブラストではミトコンドリアの数が顕著に多かった。その上、小さいミトコンドリアがほとんどであった。L-チロシンを加えてp/pメラノブラストを培養するとメラノサイトの分化が促進されたが、この際、第III、IV期メラノソームが増え、逆にミトコンドリアの数は減った。ミトコンドリアの機能阻害剤であるジニトロフェノールを加えてp/pメラノブラストを培養すると、メラノサイトの分化が促進された。これらの結果から、ミトコンドリアはメラノソーム形成に関わり、pink-eyed dilution遺伝子は、ミトコンドリアの発達を促進し、ミトコンドリアからの因子を介してメラノソームの形成や成熟を阻害すると考えられる。また、recessive yellow (e/e)マウスの新生児の表皮・真皮におけるユーメラニン量はblack (E/E)に比べて著しく少なかった。一方、e/eマウスの新生児の表皮と真皮におけるフェオメラニン量はE/Eに比べて著しく多かった。同様に、5週令のe/eマウスの毛のユーメラニン量はE/Eに比べて著しく少なく、フェオメラニン量は著しく多かった。雌のe/eマウスの毛のユーメラニン・フェオメラニン量は雄に比べて多かった。このような雌雄の差はE/Eマウスでは見られなかった。雌雄の差の原因を調べるために、エストロゲンとテストステロンをe/eマウスに注射して調べたところ、エストロゲンは雌で、テストステロンは雄でメラニン量の増加を引き起こした。それに対してE/Eマウスではそのような増加はほとんど見られなかった。これらの結果から、recessive yellow遺伝子は性ホルモンに関係したメラニン生成調節機構に関与している可能性が考えられる。
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Research Products
(23 results)