2009 Fiscal Year Annual Research Report
メラニン生成関連遺伝子及び紫外線によるメラニン生成の制御機構
Project/Area Number |
20591357
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
伊藤 祥輔 Fujita Health University, 医療科学部, 教授 (70121431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 一雅 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80131259)
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Keywords | メラノサイト / ユーメラニン / フェオメラニン / メラノソーム / エストロゲン / recessive yellow / Mclrレセプター |
Research Abstract |
メラニン色素には、黒色~暗褐色で不溶性なユーメラニンと赤褐色~黄色でアルカリに溶解性なフェオメラニンの二型がある。今回黄色の体毛を持つrecessive yellow(Mclr^e/Mclr^e or e/e)マウスの種類や性別の違いによって、ホルモンの影響でメラニン産生量に差が出るかどうかを調べた。ほ乳動物の体毛は、さまざまな体毛色をコントロールしている遺伝子により、調節されている。その中で、recessive yellowマウスはα-メラノサイト刺激ホルモンのレセプター、MClrレセプター、の機能損失マウスであり、体毛の毛包メラノサイト中でフェオメラニン合成を誘導することにより黄色体毛を生成することが知られている。我々の以前の研究では、雌のrecessive yellowマウス5週齢の背中のユーメラニンとフェオメラニンの含量が雄よりも多いことを観察した。体毛の色素形成の性差間の違いを調べるために、エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲンを新生マウスに皮下注射し、8.5日目に体毛色素形成におけるこれらの性ホルモンの効果が調べられた。化学分析によると、体毛の全メラニン量が雌のマウスにおいてエストロゲンの少量でも増加を示した。さらに、エストロゲンは雌マウスのフェオメラニン含量を増加させたが、雄ではユーメラニン、フェオメラニン含量の両者を減少させた。他方、多量なプロゲステロンは、雌、雄両方の体毛中の全メラニン量を増加させた。さらに、多量のアンドロゲンは雄の体毛の全メラニン含量を非常に増加させた。これらの結果は、エストロゲンは主にrecessive yellowマウスの雌の体毛中ユーメラニンおよびフェオメラニン含量を増加することに関与していることを暗示していた。この研究に用いたマウスは、連携研究者の放射線医学総合研究所の広部知久博士より、恵与されたマウスの体毛を実験に使用した。
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Research Products
(22 results)