2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼少時期に受けた両親からの養育的要因が、人格特徴・対人関係敏感性に与える影響
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20591390
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大谷 浩一 Yamagata University, 医学部, 教授 (00194192)
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Keywords | 養育的要因 / 人格特徴 / 対人関係敏感性 |
Research Abstract |
平成20年度では、下記の2つの研究成果が得られた。 1. 414例の健常人を対象に、幼少時期に受けた両親からの養育的要因と人格特徴を、それぞれTemperament and Character Inventory (TCI)とParental Bonding Instrument (PBI)を用いて評価した。養育的要因をPBIの愛情と過保護の2因子の得点により"適正養育""怠慢養育""愛情のある過干渉""愛情のない過干渉"の4群間に分け、これらがTCIの7因子の得点に与える影響を検討した。その結果、健常人において母親による"愛情のない過干渉"の養育態度は特異的な人格特徴、特に損害回避と関連することが示された。 2. 469例の健常人を対象に、幼少時期に受けた両親からの養育的要因と対人関係敏感性を、それぞれPBIとInterpersonal Sensitivity Measure (IPSM)を用いて評価した。その結果、男性・女性共に、対人関係敏感性は同性の親の高い過保護と関連し、それに加えて男性においては高い母親の過保護とも関連することが示された。 以上より、幼少時期に受けた両親から受けた特徴的な養育的要因は、うつ病と自殺行動に関連するとされる人格特徴と対人関係過敏性に影響を与えることが示された。これまでに両親の養育態度と人格特徴・対人関係敏感性との関連を包括的に検討した研究はほとんどなく、本研究は特記すべきものであると考えられる。
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Research Products
(2 results)