2009 Fiscal Year Annual Research Report
出生時の父親の年齢と自閉症関連疾患発症リスクとの関連―その生物学的基盤の究明
Project/Area Number |
20591396
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
土屋 賢治 Hamamatsu University School of Medicine, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (20362189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 かおり 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20447808)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
宮地 泰士 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (60444345)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80263911)
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 父親 / 疫学 / コホート研究 / ロジスティック回帰分析 |
Research Abstract |
背景と目的 自閉症スペクトラム障害(ASD)の危険因子として父親の高年齢が指摘されている。今年度の本研究では、父親の高年齢が児の認知発達にどのような影響を与えるかについて、進行中の出生コホート研究データを活用したprospectiveな探索的研究を行った。 方法 浜松医科大学医学部附属病院産婦人科(静岡県浜松市東区)および加藤産婦人科(静岡県浜松市浜北区)の2病院を2007年11月19日より2009年7月1日までに妊婦検診を目的に受診し、研究への参加の同意が得られた全妊婦517名と、その妊婦より出生した児522名を対象とした。この児を最長2年3ヶ月追跡し、Mullen Scales of Early Learningを用いて、運動発達および認知発達(視覚受容、微細運動、受容言語、表出言語)を3~4ケ月ごとに繰り返し測定した。 結果 粗大運動、視覚受容、微細運動、表出言語の発達の軌跡に、出生時の父親の年齢が統計学的に有意な関連をしていなかった。しかし、受容言語においては弱い関連が見られた。この傾向は、児の性別や同胞順位、社会経済階層の統制によっても消えることのない、独立のした統計学的関連であった。 結論 父親の年齢が高いほど受容言語に遅れがみられることが分かった。 今後の方向性 受容言語の発達遅延は、一般にASDの危険因子または早期徴候と目されている。父親の年齢とASDのリスクとの関連は、表出性でなく受容性の言語の発達遅延から説明される可能性を踏まえ、次年度はその徴候をさらに大人数のサンプルで証明すること、その生物学的な背景を解明することを検討している。
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Research Products
(5 results)