2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の社会的認知障害の神経基盤:高磁場MRIによる構造・機能的神経画像研究
Project/Area Number |
20591401
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30335286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助教 (90397547)
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Keywords | 神経心理学 / 画像診断学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、統合失調症患者の社会認知障害をI.神経生物学的水準、II.認知心理学的水準、III.行動学的水準の3つの水準にわけて検討し、それらの関連を明らかにすることにある。 初年度、昨年度に引き続き、統合失調症患者および健康被験者を対象として、脳内各部位の構造評価のために、T1-MPRAGE画像撮像を行い、社会的認知・社会行動との関連を評価した。特に、本年度は、失感情症(alexithymia)傾向(Sasamoto et al., in press)、ならびに、自閉症傾向(Kubota et al., in press)に焦点を当てた解析を行った。統合失調症において、これらの心理特性がみられることを確認した上で、それらと局所灰白質体積との関連を解析し報告した。また、本年度は、「心の理論」課題として知られる『Moving Shape Test』を用いて、統合失調症患者、および健康被験者を対象に、機能的MRI実験を行った。機能的MRIに加え、同一被験者に対して構造的MRI画像の撮像を実施することによって、機能的神経画像所見と局所脳体積、大脳白質拡散異方性との関連を解析した。この結果は現在投稿中である(Koelkebeck et al., submitted)。さらに、統合失調症の脳構造に関わる基礎的研究として、大脳白質拡散異方性の左右差に関する研究(Miyata et al., in press)、および、大脳皮質厚の年齢依存性変化に関する研究(Kubota et al., in press)を実施し報告した。
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Research Products
(5 results)