2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知症性疾患の神経変性メカニズムにおけるRNA・蛋白相互作用の関与
Project/Area Number |
20591407
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔久 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (10294068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
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Keywords | アルツハイマー病 / 自然免疫 / 老人斑 / 神経原線維変化 |
Research Abstract |
神経変性性認知症の中で、アルツハイマー病(AD)は最も頻度が高い。ADの神経病理学的変化としては神経原線維変化老人斑、炎症性変化、神経細胞およびシナプスの喪失が知られているが、それぞれの変化がどのように関わり合っているかは明らかではなし。AD脳内ではミクログリアの活性化などの炎症性変化が以前より指摘されているが、近年免疫学においては自然免疫システムのメカニズムが明らかにされ注目を浴びている。ショウジョウバエで発見されたToll蛋白は膜貫通型受容体であり、感染性異物の認識に自然免疫として関与しているが、哺乳類においては、Toll-like receptors (TLRs)が自然免疫に関係する新しい蛋白質群を構成しており、中枢神経系においても発現が認められている。この中でTLR-3は2本鎖RNAとの結合によりシグナル伝達することが知られ、下流にはタウ蛋白をリン酸化するJNKやp38MAPKなどのストレスキナーゼが存在し活性化される。 そこで、正常脳およびAD脳におけるTLR-3の発現レベルをReal-Time Quantitative RT-PCR (ABI prism 7900 Sequence detection system)によって定量し、比較検討をところ、AD脳こおいてTLR-3は有意に発現亢進していることが認められた。さらに、免疫組織化学的にAD脳内でのその発現分布の検討(神経原線維変化および老人斑との関係)の検討をおこなったところ、老人斑内にいくつかのTLR-3陽性細胞が認められたか、神経原線椎変化とTLR-3陽性細胞との共在は認められなかった。さらに、アミロイド高発現トランスジェニックマウスTg2576におけるTLR-3の発現レベルの検討を行ったところ、コントロールマウスに比ベアミロイド高発現トランスジェニックマウスにおいてTLR-3は有意に発現亢進しており、アミロイド高発現トランスジェニックマウスにおいては老人斑内および老人斑の外にも数多くのTLR-3陽性細胞が認められた。以上より、アミロイド産生過剰からオリゴマーレベルでの可溶性アミロイドβの刺激によって、TLR-3の発現が活性化され、それを通してADの炎症性変化に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] The 28-amino acid form of an APLP1-derived Ass-like peptide is a surrogate marker for Ass42 production in the central nervous system2009
Author(s)
Yanagida K, Okochi M, Tagami S, Nakayama T, Kodama T, Nishitomi K, Jiang J, Mori K, Tatsumi S, Arai T, Ikeuchi T, Kasuga K, Tokuda T, Kondo M, Ikeda M, Deguchi K, Kazui H, Tanaka T, Morihara T, Hashimoto R, Kudo T, Steiner H, Haass C, Tsuchiya K, Akiyama H, Kuwano R, Takeda M.
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Journal Title
EMBO Molecular Medicine 1
Pages: 223-235
Peer Reviewed
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