2010 Fiscal Year Annual Research Report
プライマリ・ケア領域における精神医学的諸問題とグローバル・バーデンに関する研究
Project/Area Number |
20591412
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中根 秀之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90274795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 寛樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50260766)
木下 裕久 長崎大学, 大学病院, 講師 (10380883)
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Keywords | 精神医学 / プライマリケア |
Research Abstract |
研究目的:【1】プライマリ・ケア医を受診する者の中に、どのくらいの精神障害を抱えた者がいるか。【2】プライマリ・ケア医はどのくらいの割合で精神障害の診断を行なえているか。【3】精神障害を抱える者は、どのくらいのグローバル・バーデンを持っているか。長崎大学病院総合診療科外来受診者を対象に、1次調査(自己記入質問票)の後、無作為抽出により2次調査(対面聞き取り調査)を実施した。 結果:調査協力者:254人(254人/総受診者417人:協力率:61%)のうち完全回答217人を解析対象とした。1次調査;GHQ-12:Mean±SD 3.06±3.52点。4点以上のハイリスク群77人(35.5%)であった。低得点(0-1点)群、中得点(2-3点)群は、それぞれ108人(49.8%)、32人(14.7%)であった。 また、AUDITについては、10点未満群188人(87.9%)とほとんどを占めたが、10-14点群、15点以上とも13人(6.1%)であった。2次調査;調査協力者:27人。2次調査に進んだものの割合は、12.4%(27/217)であった。GHQ-28:Mean±SD 12.8±7.01であり、6点以上上位群は22人に対して、1点以下の下位群は1人であった。DASによる社会機能の包括的評価については、不十分以下の何らかの適応障害を認めた群は、12人(44.4%)であった。またMINIによる精神医学診断については、18人(66.7%)において何らかの精神障害の診断が付与された。7人が大うつ病エピソード、5人がパニック障害、気分変調症、精神病性障害も各2人認めた。以上の結果から、総合診療科外来受診者において、精神医学的問題を抱えている患者の割合は高く、特に大うつ病エピソードの占める割合が高いことが示された。MINIとの一致率については、40.7%であり、総合診療科では精神医学診断技術は比較的高かった。しかし、方法論上の差異があるが、以前のPPGHC研究では、一致率がマンチェスター62.9%、シアトル56.9%であり、まだ十分とは言えないことが示唆された。
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Research Products
(2 results)