2010 Fiscal Year Annual Research Report
シスチン・グルタミン酸交互輸送体機能障害による海馬酸化ストレス増強機序の解明
Project/Area Number |
20591415
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
土井 拓 宮崎大学, 医学部, 助教 (70274793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 勇人 宮崎大学, 医学部, 准教授 (70244192)
中島 暉 宮崎大学, 医学部, 教授 (10041857)
船橋 英樹 宮崎大学, 医学部, 助教 (10404435)
蛯原 功介 宮崎大学, 医学部, 助教 (20510720)
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Keywords | てんかん / グルタミン酸 / 抗酸化能 / レドックス / 酸化ストレス / cystine/glutamate transporter (xCT) |
Research Abstract |
cystine/glutamate transporter (xCT)は細胞内外のグルタミン酸濃度勾配を利用して、抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)生成に必要なシスチンを細胞内に取り込むことによって細胞内外レドックス状態に関与し、さらにはそのレドックス状態がグルタミン酸トランスポーター(EAATs)の機能を修飾することから、多岐にわたって、てんかんの病態に対して重要な働きをしている。平成22年度は外傷性てんかんモデルラットにおけるxCT mRNA発現解析をreal-time PCR法を用いて解析した。右扁桃体に鉄塩(100mM FeCl_3 1μl)注入から二次性全般化発作の出現する30日後に両側海馬を摘出した。対照群はpH 2.2 NaCl水溶液注入から30日後に両側海馬を摘出した。xCT mRNA発現量は鉄塩注入側である右側の海馬でコントロール群と比較して有意に発現が低下していた。対側では対照と有意な発現変化はみられなかった。てんかんの病態では細胞外グルタミン酸濃度上昇がおこり、xCTに機能不全がもたらされるが、xCT自体の発現も低下していると考えられた。グルタミン酸トランスポーターはSH基を有し、酸化状態下では輸送機能低下を来す。外傷性てんかんモデルにおけるxCT発現低下、機能不全はGSH生成低下、それによる抗酸化能低下、それによる更なるグルタミン酸再取り込み低下を来たす、悪循環が存在するものと思われる。これら細胞外グルタミン酸濃度上昇、抗酸化能低下がてんかん原性獲得に結びついていくものと考えられた。
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Research Products
(4 results)