2008 Fiscal Year Annual Research Report
レビー小体型認知症の臨床・病理診断基準の妥当性の検討
Project/Area Number |
20591419
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井関 栄三 Juntendo University, 医学部, 准教授 (30203061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 涼子 順天堂大学, 医学部, 助教 (50459070)
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Keywords | 認知症 / 診断学 / 病理学 |
Research Abstract |
レビー小体型認知症(DLB)の臨床・病理診断基準の妥当性の検討のために、平成20年度は以下の検討を行った。DLBの臨床診断基準は、DLBが発症した後に診断基準に示される特徴的な症状が出現してからでないと診断ができない問題点をもっている。すなわち、アルツハイマー病と異なりDLBを軽度認知障害(MCI)の時点で診断して治療を開始することは現時点では困難であり、早期治療を遅らせる一因となっている。研究者は物忘れドックで見出された多数のMCIレベルの症例に詳細な認知機能検査と頭部MRI・脳PET画像を用いた検討を行い、臨床診断以前のDLBのMCIレベルの症例の認知機能および画像上の特徴を見出すことを可能にし、現在これらの症例の縦断的なフォローを行っている。これは第23回日本老年精神医学会で発表し、その結果を現在論文にしている。DLBの病理診断基準の妥当性の検討については、DLBの35剖検脳を用いて脳の各部位について詳細な神経病理学的検討とともにリン酸化α-シヌクレイン・リン酸化タウ・アミロイドβ蛋白についての免疫組織化学的検討を行った。そこでは、レビー病理とアルツハイマー病理の程度について部位別に半定量的に評価し、病理診断基準と研究者らの病理亜型分類とを比較検討した。その結果、レビー病理の程度によってDLBの臨床像が規定されること、アルツハイマー病理の程度がDLBの臨床像に影響を与えることが実証され、レビー病理に加えアルツハイマー病理を考慮する病理診断基準の妥当性が示された。これは第50回日本神経病理学会で発表予定であり、その結果を論文にする予定である。
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