2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症初発エピソードの認知機能障害の経過と認知機能リハビリテーションの効果
Project/Area Number |
20591420
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
池淵 恵美 Teikyo University, 医学部, 教授 (20246044)
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Keywords | 統合失調症 / 初発エピソード / 認知機能障害 / 追跡研究 / 社会的機能 / 認知機能リハビリテーション |
Research Abstract |
1、本研究の目的は、統合失調症の長期的な予後を改善するために、初期治療が重要であるとの視点から、初発エピソードの患者を対象とし、社会的な機能への影響が大きい認知機能障害について、初発からの縦断的な経過を調査するとともに、認知機能リハビリテーションを行った場合の介入効果を明らかにすることにある。平成20年度は、初発エピソードの統合失調症患者を登録し、認知機能の縦断的経過を明らかにするために3年間の追跡を開始することである。 2、対象:帝京大学医学部付属病院精神科もしくは関連病院精神科を受診したもののうち、症状の持続期間をのぞけば、DSM-IVにより統合失調症と診断でき、初回エピソードであり、発症時点から2年以内に受診したもの。 3、評価方法:同意取得時に精神症状(PANSS)、認知機能(BACS)、生活技能プロフィール(LSP)、GAFの評価を行い、継続的な外来治療を実施しながら、6ヶ月に1回の間隔で評価を行う。 4、進行状況:H20年12月までに同定された対象者で同意取得者は5名(男性4名、女性1名)である。5名は平均年齢23.2±4.4(19-30)歳、教育年数14.6±1.9(12-16)年、服薬量(HPD換算)2.99±0.82(2.2-4)mg、PANSS陽性尺度14.4±3.5(10-19)、PANSS陰性尺度12.8±4.1(8-17)、PANSS総合精神尺度29±5.4(22-37)、GAF57±11.5(45-70)、BACS言語記憶45.4±12.0(32-61)、ワーキングメモリ18,6±3.0(14-21)、運動機能78.6±16.6(54-100)処理速度64.6±14.8(48-82)、流暢性31.8±4.3(26-38)、遂行機能17.6±2.9(14-22)であた。今後、縦断的経過を調査する。 5、平成20年度研究参加登録者が少数であった。これは初発の統合矢調症が研究実施機関に少数しか受診しなかったためである。更なる対象者を登録するために、奈良県立医大精神科、及び東京女子医大精神科に研究の協力を依頼し、同意を得た。帝京大学医学部精神科の関連病院にも、同様の研究依頼を行い、同意を得た。
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Research Products
(2 results)