2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体腎移植ドナーの意思決定と満足度に関する前向きコホート研究
Project/Area Number |
20591422
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
西村 勝治 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60218188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 清香 東京女子医科大学, 医学部, 臨床心理士 (40439807)
大下 隆司 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (00433996)
石郷岡 純 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80142412)
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Keywords | 移植 / 生体腎移植 / ドナー / 臟器提供 / 意思決定 / 満足度 |
Research Abstract |
本研究の目的は生体腎移植ドナーにおける臓器提供の意思決定に関わる要因を明らかにし、次に移植から1年経過した時点でのドナーの満足度に関わる要因を明らかにすることであった。目的達成のために、課題1:生体腎移植ドナーにおける臓器提供の意思決定および満足度に関連する因子の評価尺度の開発、課題2:作成した評価尺度を用いた意思決定および満足度に関わる要因の検討、を設定した。 課題1に関して、152名のドナー候補者との面接に基づく質的調査を行った。データ収集は面接記録から行い、臓器提供の意思決定に関わる因子と思われる箇所を抜き出し、整理した。データ分析にはグラウンデット・セオリー・アプローチ(Glaser & Strauss, 1967)の継続的比較分析法を用いた。その結果、意思決定に関わる因子は5つの大カテゴリーに分類できた。すなわち(1)レシピエントに関わること、(2)ドナー候補者に関わること、(3)移植を選択した経緯およびドナーセレクション、(4)家族関係、(5)医療・医療者への信頼感である。この質的調査をもとにして生体腎移植ドナーにおける臓器提供の意思決定および満足度に関連する因子を抽出し、評価尺度項目を収集した。これらの尺度項目について経験豊富な移植医、腎臓内科医、移植コーディネーター、精神科医、生体腎移植ドナー経験者にそれぞれ意見を求め、概ね十分と思われる項目を整理し、独自の評価尺度(「生体腎移植ドナーの意思決定に関する調査票」および「生体腎移植ドナーの満足度に関する調査票」)を開発した。 課題2は新規ドナー(候補者)の2年間の追跡調査であるが、課題1の達成に予定以上の時間を要し、エントリー開始時期が遅れたため、現在、追跡中である。 本研究によって生体ドナーの提供前後の心理社会的な援助のあり方を考えるための有用な情報を得ることができた。
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Research Products
(12 results)