2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナルコレプシー類縁疾患の臨床的特性・治療反応と社会生活への影響に関する調査研究
Project/Area Number |
20591428
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
林田 健一 (財)神経研究所, 研究部, 研究員 (30338933)
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Keywords | ナルコレプシー / 情動脱力発作 / 睡眠構造 / 特発性過眠症 / 日内変動 / 反復睡眠潜時検査 |
Research Abstract |
眠気の性情の酷似した、情動脱力発作を伴うナルコレプシー(NA with CA)、情動脱力発作を伴わないナルコレプシー(NA w/o CA)、長時間睡眠を伴わない特発性過眠症(IHS w/o LST)について、その症度特性と夜間睡眠特性を明らかにするため、終夜ポリソムノグラフィ(PSG)指標、反復睡眠潜時検査(MSLT)の入眠潜時の日内変動の特徴について検討した。その結果、NA with CAでのPSG上での睡眠効率、睡眠段階3-4の割合(%)は、他の2群に比べて有意に低く、逆に睡眠段階1%と中途覚醒頻度は有意に高かった。NA w/o CAとIHS w/o LSTの間で、一定の差異はなく、対象と同年代の人口の代表値と同水準であった。MSLTでの入眠潜時は、10:00のセッションでの値が、NA with CAとNA w/o CAではその他の時間帯に比べて有意に延長していたのに対し、IHS w/o LSTではこのような傾向は認められなかった。また、SLの値は、どの時間帯においても、NA with CA<NA w/o CA<IHS w/o LSTの順であった。 以上より、CAの存在は、日中の眠気水準に影響するとともに、夜間睡眠維持不良(sleep pressureの不安定化)にも関与していることがわかった。また、NA2群で、早朝の時間帯のSLが延長していた点については、概日的な眠気水準低下の影響と、疲労による睡眠圧低下が、早朝には生じていないことが関与していると思われ、この点を考慮することにより、効率的な精神刺激薬投与法の工夫が可能であると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] パーキンソン病と進行性核上麻痺において過眠症状へのオレキシン神経系の関与2010
Author(s)
伊東若子, 若井正一, 杉浦建生, 前田哲也, 服部優子, 安部俊一郎, 高野大樹, 近藤英明, 井上雄一, 神林崇, 清水徹男
Organizer
日本睡眠学会第35回定期学術集会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2010-07-01
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[Book] 睡眠教室2011
Author(s)
杉浦建生, 他
Total Pages
178(113-117)
Publisher
株式会社新興医学出版社
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