2008 Fiscal Year Annual Research Report
認知症早期診断のためのアミロイド・タウイメージングプローブの創出
Project/Area Number |
20591432
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 信行 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 講師 (40361076)
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Keywords | PET / 老化 / アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 |
Research Abstract |
アルツハイマー病患者の脳内に蓄積したアミロイドβ蛋白およびタウ蛋白を個別に検出する新たな分子イメージングプローブを創出できれば、両蛋白を標的とした新しいアルツハイマー病治療薬の薬効評価を行うことができ、その意義は大きいと考えられる。そこで本年度は、アミロイドβ蛋白およびタウ蛋白検出用プローブである[^<18>F]FACT, [^<11>C]THK-951の評価を行った。BF-227のOH体であるFACTの線維化アミロイドβ蛋白に対する結合親和性は高く、アルツハイマー病患者脳切片において老人斑に選択的に結合することが蛍光顕微鏡下で観察された。本プローブは脳血液関門透過性に優れ、正常脳組織からの排出は[^<18>F]BF-227よりも速やかであった。またアルツハイマー病の動物モデルであるAPPトランスジェニックマウスに静脈内投与することによって、脳内のアミロイド斑への選択的な結合を確認することができた。さらにマウスおよびラットにおいて毒性試験を実施し、安全性を確認することができた。学内倫理委員会へ探索的臨床試験の申請を行い、承認を得たことから、アルツハイマー病患者における臨床評価を開始した。その結果、アルツハイマー病患者におけるFACTの異常集積を確認した。FACTの集積パターンはBF-227に近いものの、脳幹部や視床における非特異的集積はBF-227よりも軽減していた。一方、タウ蛋白を検出プローブの候補化合物として[^<11>C]THK-951を開発し、本プローブの神経原線維変化への結合を蛍光顕微鏡像およびオートラジオグラフィーにて確認した。さらに本プローブは正常脳組織からの速やかな排出を示し、臨床応用が期待できる所見が得られた。
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Research Products
(4 results)