2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知症早期診断のためのアミロイド・タウイメージングプローブの創出
Project/Area Number |
20591432
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 信行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40361076)
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Keywords | PET / 老化 / アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)の神経病理学的特徴は、アミロイドβ蛋白の凝集物である老人斑と、タウの凝集物である神経原線維変化の脳内への蓄積である。老人斑を検出するプローブは実用化されているが、神経原線維変化を選択的に検出するPETプローブは未だ存在しない。そこで本年度は我々がタウ蛋白に結合選択性をもつことを見出したキノリン誘導体の^<18>F標識体である[^<18>F]THK-523に関して、in vitroおよびin vivoでのタウ蛋白検出能力を評価した。[^<18>F]THK-523のAβ線維、タウ蛋白線維との結合親和性を評価した結果、タウ蛋白線維に対する[^<18>F]THK-523のKd値は1.67nMと、Aβ1-42 fibril(Kd:20.68nM)よりも高い結合親和性を示した。またAD患者脳切片を用いたオートラジオグラフィーにおいても、タウ病変との選択的結合像が確認された。正常マウスにおける静脈内投与後の脳移行性は、投与2分後で2.72%工D/gと良好であった。そこで、タウトランスジェニックマウスおよび野生型マウスに[^<18>F]THK-523を投与し、小動物用PETスキャンで撮像を行った。その結果、投与30分後の段階で、トランスジェニックマウスの脳において[^<18>F]THK-523の高集積が確認された。以上の結果から、[^<18>F]THK-523はタウ蛋白線維に対する十分な結合親和性を有しており、タウイメージング用PETプローブの有力候補化合物と考えられた。
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Research Products
(4 results)