2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん分子標的薬のポジトロン断層法による適応・効果判定法に関する基礎的検討
Project/Area Number |
20591433
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉岡 孝志 Yamagata University, 医学部, 教授 (90271981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 寛 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30125645)
古本 祥三 東北大学, 先進医学研究機構, 助教 (00375198)
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Keywords | ポジトロントレーサー / 分子標的治療薬 / 治療効果判定 |
Research Abstract |
本年度は、がん分子標的治療薬が有効な腫瘍モデルの準備と、目的とするポジトロンレーサーでがんの分子標的薬の治療効果が判定可能か実験方法に関する検討を行うためのモデル実験を施行した。 入手可能ながん分子標的薬治療として血管増殖因子のヒト抗体であるBevacizumabを分子標的薬のモデルと決定し、Bevacizumabが単独で抗腫瘍効果を発揮することが既に分かっているヌードマウス移植可能ヒト大腸癌株CoLo205をトレーサー実験に使用することとした。CoLo205は、凍結細胞として理化学研究所より購入可能であったが、ヌードマウス移植可能とするには培養液中で数代の継代し安定増殖の確認後、培養細胞をヌードマウスに皮下移植する必要がある。また、移植腫瘍のヌードマウス間での安定継代可能であることを確認することが必要で、本年度はこれらを実施し、ヌードマウスの皮下移植腫瘍として3代の継代が可能で腫瘍が安定増殖することを確認した。4代目からトレーサー実験に使用できる状況となり、次年度は本格実験に入っていく準備ができた。 また、予備実験としてドンリュウラットに移植可能なラット肝癌AH109を準備し、予めBevacizumabで治療を施した群とコントロール郡を作成し、糖代謝トレーサー2-deoxy-2-[18F]fluoro-D-glucose(FDG)の腫瘍内取り込みの比較実験を行った。両群にFDGを投与して動物用ポジトロンCT装置を用いて取り込みの比較を行ったところ、Bevacizumab投与郡で取り込みの低下が認められた。但し、Bevacizumabはヒトの血管新生因子の中和抗体であり、ラットの血管増殖因子を中和するかどうかに関しては確認されていない。次年度は本実験を参考としてヒト腫瘍であるCoLo205とヌードマウスを用いて実験を早々に開始する。
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