2011 Fiscal Year Annual Research Report
F-18 FLT PETを用いた消化器癌の分子イメージングの研究
Project/Area Number |
20591446
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
亀山 麗子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00380189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
羽場 礼次 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90304584)
|
Keywords | F-18 FLT / F-18 FDG / PET検査 / 分子イメージング / 胃癌 / 大腸癌 |
Research Abstract |
分子イメージングとは生体内の分子のふるまいを新しいイメージング技術で可視化し、生命体の営みを解きほぐしていこうとする学問領域でPETや蛍光イメージングなどが挙げられる。現在汎用されているF-18FDG(FDG)PETは確かに癌の診断に有用であるが消化器癌の診断においていくつか問題点もある。胃癌においては硬癌のFDG集積が弱いこと、そして生理的に胃へのFDG集積を認めるため、癌に伴う異常集積と生理的な集積の鑑別が困難である。大腸癌においても生理的な大腸へのFDG集積と大腸癌への集積との鑑別が困難な場合がある。香川大学医学部附属病院には平成14年からPET装置が導入されFDGPETを中心に臨床稼働し、また平成18年からは核酸代謝の測定が可能なF-18FLT(FLT)の合成を開始し、その有用性を検討している。特に肺癌や脳腫瘍では術前にFLT PET検査を行い、FLT集積と術後の病理組織で分かる癌の分裂能の指標であるki-67 indexの相関を調べ、その結果ではFLT集積とKi-67 indexの間に良好な相関を示すことが分かった。FLT PETを消化器癌に応用した今回の研究結果では、胃癌と大腸癌に対し良好にFLT集積を示し、FDG PETと相補的な役割を示す事が明らかになった。しかし、胃癌と大腸癌ともにFLT集積程度とki-67 indexの相関は認められなかった。そして、胃癌や大腸癌におけるFLT PETの集積機序を明らかにするため、摘出された癌組織中のタンパク発現量をRT-PCR法で定量的に検討した。その結果、トランスポーターの一つである受動拡散型ヌクレオシドトランスポーター1とは相関を示さなかった(p=0.90)。今後はリン酸化の指標であるthymidine kinase 1(TK1)活性との相関を検討予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃癌と大腸癌に対してF-18 FLT PET検査を計画通り実施できた。また、癌組織へのF-18 FET集積機序を解明するために、RT-PCT法を用いてタンパク発現量と比較検討できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
癌組織へのF-18 FLT集積機序を解明するために、RT-PCT法を用いてトランスポーターのタンパク発現量と比較検討を行った。癌へのF-18 FLT集積をさらに明らかにするために、様々な別のトランスポーターあるいはリン酸化の指標であるTK1活性など関与している機序をさらに検討する必要があり、復帰後に研究を継続する。
|
Research Products
(1 results)