2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経メラニンMRIを用いたうつ病、統合失調症のカテコルアミン系機能形態解析
Project/Area Number |
20591458
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 真理 Iwate Medical University, 医学部, 准教授 (80205864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00337156)
酒井 明夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30146063)
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10129033)
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Keywords | MRI / 神経メラニン / 黒質 / 青斑核 / ノルアドレナリン / ドパミン / うつ病 / 統合失調症 |
Research Abstract |
本研究では、独自の3Tesla MRI神経メラニンイメージング技術を用い、従来可視化不能であった黒質緻密部のドパミン神経細胞、青斑核のノルアドレナリン神経細胞を直接描出し、統合失調症およびうつ病における黒質、青斑核の機能形態変化について検討した。 統合失調症患者20名、うつ病患者18名、健常対照群34名を対象に、高解像度神経メラニン画像を撮像し、黒質緻密部・青斑核の信号強度の変化を定量的・視覚的に比較検討した。 統合失調症患者では黒質の信号比がうつ病および健常対照群に比し有意に上昇していたが、青斑核には有意な信号変化を認めなかった。一方、うつ病患者では青斑核の信号比が統合失調症および健常対照群に比し有意に低下していたが、黒質には有意の変化を認めなかった。これらの所見は、統合失調症におけるドパミン系の機能亢進、うつ病における上行性ノルアドレナリン系の機能低下を間接的に反映していると考えられ、従来のドパミン仮説やモノアミン仮説を支持する結果と考えられた。 連続確信度法を用いた読影実験の受動者動作特性解析では、うつ病と健常者の識別能は感度・特異度約80%と良好であったが、統合失調症とうつ病・健常者の識別能は不良であった。 神経メラニンMRIは、統合失調症およびうつ病におけるドパミン、ノルアドレナリン系の分子機能イメージング手法として有望と考えられた。 次年度は、独自に開発した高分解能3D神経メラニン撮像法を用いて中脳腹側被蓋野(VTA)ドパミン神経細胞の定量解析を行い、統合失調症・うつ病における中脳辺縁系ドパミン系の機能評価を行う予定である。
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Research Products
(5 results)