2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経メラニンMRIを用いたうつ病、統合失調症のカテコルアミン系機能形態解析
Project/Area Number |
20591458
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 真理 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80205864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10129033)
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00337156)
酒井 明夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30146063)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 神経伝達物質 / うつ病 / 統合失調症 / 神経メラニン |
Research Abstract |
本研究は、独自の3Tesla MRI神経メラニンイメージング技術を用い、従来可視化不能であった黒質緻密部(SNc)・中脳腹側被蓋野(VTA)のドパミン作動性神経細胞、青斑核(LC)のノルアドレナリン作動性神経細胞を直接描出し、統合失調症およびうつ病における機能形態変化を無侵襲的に捉えることが目的である。 本年度は、統合失調症15名・健常対照群25名を対象に、独自の磁化移動パルス付加3D-spoiled GRE法高分解能3D神経メラニン画像および3D位相画像を用い、VTAの信号強度および位相変化の定量解析を行い、統合失調症におけるVTAの機能形態変化の高精度検出法の確立を試みた。 3D神経メラニン画像におけるVTAの上小脳脚交叉に対する相対信号強度は、統合失調症群で1.06±0.04、対照群で1.12±0.05と、統合失調症群において有意に低下していた(Mann-Whitney検定、p<0.01)。一方、VTAの位相シフトは統合失調症群で-8.6±26.8、対照群で-15.6±197と大きくばらつき、両群に差異を認めなかった(Mann-Whitncy検定、p=0.97)。VTA相対信号強度に対し位相シフトを用いて鉄濃度補正を行うと、統合失調症群で1.03±0.09、対照群で1.05±0.06と、統合失調症群において低下する傾向にあったが、有意差は認めなかった(Mann-Whitney検定、p=0.23)。 3D神経メラニン画像は、VTAの神経メラニン信号由来の信号変化を捉えることができ、統合失調症などにおける中脳辺縁系ドパミン系の機能イメージング手法として有望と考えられるが、位相シフトの計測精度は不十分であり、位相情報に基づく鉄濃度補正を用いた定量性の向上には更なる検討が必要と考えられた。
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Research Products
(4 results)