2009 Fiscal Year Annual Research Report
CTによる閉塞性血管病変の診断法の開発:非侵襲的診断法の確立を目指して
Project/Area Number |
20591459
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
田中 良一 Iwate Medical University, 医学部, 講師 (30393218)
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Keywords | CT / 閉塞性動行脈疾患 |
Research Abstract |
前年度に引き続きCTデータの蓄積を行った.今年度は軌道同期を必要とする下肢動脈と心電図同期を必要とする冠動脈の両者においてデータの蓄積を行い,臓器の特性に応じた処理方法の適正化にも考慮した. 下肢動脈においてはワークステーションを用いた半自動サブトラクション法に加え,手動の位置合わせによるサブトラクション用アプリケーションを用い,両者の描出能の違いについて,特に下腿末梢病変の描出の違いについて検証を開始した.腸骨動脈領域,大腿動脈領域においては血管内治療時に撮影された血管造影画像と比較することとし,血管内治療症例(31例)のさらなる蓄積も行った.サブトラクション法の傾向としては腸骨動脈領域の比較的口径が太い血管においては造影前後のデータの位置ずれによる狭窄の描出能への影響は少なかったが,下腿領域の細径動脈では半自動のサブトラクション法では狭窄を過大評価する傾向がみられ,手動の位置合わせによるサブトラグション法の有用性が示唆された. 冠動脈では心電図同期下に撮影を行い,呼吸停止の違いによる位置ずれの影響も考慮されるため,サブトラクションに関してはpreliminaryな検討とした.撮影条件は被ばくの低減を考慮し,異なる管電圧および管電流で撮影された画像間でのサブトラクションを行い,画質に与える影響について検討した. また,前年度に施行した動態ファントムの結果の解析を進め,320列CTと64列ヘリカルCTにおける血管病変描出能の違いについて検討し,その結果をまとめ,欧州放射線学会にて研究成果を発表した.
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