2009 Fiscal Year Annual Research Report
3テスラMRSを用いた脳内GABAの測定により夜勤従事者の疲労を客観的に評価する
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20591466
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
興梠 征典 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (60195691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大成 宣弘 産業医科大学, 医学部, 助教 (20233207)
掛田 伸吾 産業医科大学, 医学部, 講師 (30352313)
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Keywords | MRI / スペクトロスコピー / 慢性疲労 / GABA / 夜勤業務 |
Research Abstract |
研究の目的は、夜間勤務に伴う慢性疲労状態の病態解明や対策を進めるために、疲労や睡眠障害の客観的評価法を確立することである。すわなち夜勤従事者では、主要な興奮性、抑制性の神経伝達物質である脳内グルタミン酸(Glu)とγ-アミノ酪酸(GABA)に変化が生じている可能性があり、超高磁場の3T MRスペクトロスコピー(MRS)を用いMEGA-PRESS法という手法により計測した。この計測には精度の高い装置の調整が必要であり、習熟した1名の研究分担者が行った。また脳内GluとGABAのピークはきわめて微小であるため、その解析にはLC modelという専用のソフトウェアを用い、かつ解析に習熟した別の研究分担者が行った。 前年度に日勤従事者における脳内GABA・Gluの日内変動を評価したのに続き、本年度は夜勤従事者を対象として同様の検討を行った。対象は16名(女性10名、男性6名、平均33.2歳)である。具体的な夜間勤務業種としては、1年以上の夜間勤務に従事する看護師、救急救命医師等を対象とした。一部の対象者には画像モニター端末による読影業務を負荷した。GluとGABAは、前頭葉と後頭・頭頂葉の2カ所を、朝、夕の決められた時間帯で2回測定し、Glu/CrとGABA/Crを算出した。その結果、頭頂・後頭葉のGlu/Crは朝よりも夕方が有意に高い値を示した(0.261 vs 0.430, p<0.05)。GABA/Crは、前頭葉においても頭頂・後頭葉においても朝と夕で明らかな差を認めなかった(5.37 vs 4.49)。今回の結果は、脳内GABA、Gluにおける日勤従事者と夜勤従事者間の日内変動の違いを示唆するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)