2010 Fiscal Year Annual Research Report
小動物PETによるげっ歯類を対象としたリガンド動態定量解析のための基盤技術開発
Project/Area Number |
20591469
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
関 千江 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (40443080)
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Keywords | 放射線 / 脳・神経 / 痴呆 / 薬学 |
Research Abstract |
ポジトロン断層撮影法(PET)での遺伝子改変マウスなど小動物対象の研究の一つとして、脳神経疾患の病態・治療研究を目的とした放射性薬剤(リガンド)の、動脈血中リガンド濃度変化(pTAC)とともにPETデータ解析を行う生理学的パラメータの定量法の確立が必要である。今年度は、前年度のアルツハイマー病モデルマウスである。アミロイド前駆体蛋白遺伝子改変(APP-Tg)マウスと同程度の月齢の野生型マウス(24-26ヶ月齢,n=4)を対象に、アミロイドβペプチド(Aβ)に親和性を持つ^<11>C-PIBをリガンドとして用い、PET撮像ならびに大腿動脈からの採血による入力関数測定を行い、コンパートメントモデル解析およびグラフ解析法で動態パラメータV_Tを算出した。V_Tは、コンパートメントモデル解析・グラフ解析法で求めたV_Tはよく相関した(r2=0.95)。また、APP-Tgと同様に、小脳を含め全脳で分布容積V_T値が若年マウスより高齢マウスの方が有為に高かった。血漿中の^<11>C-PIBの未変化体残存率は、投与10分後の高齢マウスで12%、若年マウスで17%と高齢群で代謝が速いことから脳内への放射性代謝物移行についても検討した。投与後30分前後で脳を摘出し、分析したところ、放射性代謝物は全放射能の約15%で月齢による有意な差は認められず、V_T値の月齢差への代謝物寄与は無いと考えられた。コンパートメントモデル解析では、2-tissue compartment modelが月齢・Aβ蓄積に関わらず^<11>C-PIBの動態をよく表した。速い成分は脳の領域・Aβ蓄積の有無に関わらず一定であることから非特異結合成分と見られ、この成分に月齢差が認められた。遅い成分にはAβ蓄積への結合成分とともにそれ以外への結合も同程度含まれていることが示された。
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Research Products
(1 results)