2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝動脈塞栓物質の動態解析:静脈叢を介した門脈血流域の塞栓効果に関するインビボ解析
Project/Area Number |
20591472
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
南 哲弥 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (60436813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 修 金沢大学, 医学系, 教授 (10019961)
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝動脈塞栓術 |
Research Abstract |
肝細胞癌に対する経動脈的塞栓術は比較的確立された治療法であるが,局所再発の可能性も少なくないのが現実である.これは肝癌辺縁域の血管支配に関しては門脈の関与もあると思われ,門脈側までの塞栓を目指した主義の確立が望まれているのが現状である.これに対して,塞栓物質の動態観察ならびに種々の塞栓物質による塞栓法の至適性を判断するための実験を行うこととしていた. 家兎を用いての実験に関しては動態観察が困難であると判断された.従って豚モデルでの組織学的な検討を主に行うこととし,動物実験センターにて肝動脈造影下に塞栓術を行って評価を行った.新しい塞栓物質としてエチレンビニルアルコールコポリマーを用いた肝動脈塞栓療法では自然な肝動脈血流下において塞栓材料を流したものと,マイクロバルーンを用いて末梢に注入圧がかけられるようにして行った場合では,後者で肝類洞までの鋳型状の塞栓が組織学的に観察された. マイクロバルーン補助下の液状塞栓物質による肝動脈塞栓術が有効な治療法となりうる可能性が示唆された.今後はさらに実験を重ねることにより,至適な注入状態や方法を確立できるようにデータを積み重ねてゆく予定である.
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