2010 Fiscal Year Annual Research Report
光造形血管モデルを用いた大動脈ステントグラフト治療前シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
20591473
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
眞田 順一郎 金沢大学, 附属病院, 助教 (10313652)
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Keywords | 光造形 / ステントグラフト / 大動脈瘤 / 血管モデル / シミュレーション |
Research Abstract |
ステントグラフト内挿術におけるステントグラフトのデザインの選択および留置手技などを含めた治療戦略の決定に、コンピューター上の仮想空間におけるシミュレーションがどこまで正確に再現可能かどうかを、CTデータを用いた正確な血管モデルを利用した術前シミュレーションを行うことにより対比評価してきた。この前年度までの研究において、両者には顕著な差異がみられず、仮想空間上でのシミュレーションの妥当性が証明された。本年度はさらに臨床応用を進めつつ、本手法の臨床に与えるインパクトを検証する予定とした。 結果として、本年度はこのシミュレーションモデルを利用して、主として市販の企業製ステントグラフトを用いた大動脈瘤や大動脈解離症例の血管内治療を82症例に対して施行した。いずれの症例においても術前シミュレーションで選択したデバイスは計画通りの位置に正確に留置され、多大な臨床成果を上げることに寄与した。しかしながら、長区域病変や宿主大動脈の屈曲蛇行が顕著な症例においては、実際に留置したステントグラフトが予定位置より若干変位したり短縮したりして術前計画を正確に踏襲できなかった症例を経験した。これらの個々の症例によるステントグラフトの振る舞いを再評価し、その原因を分類して認識することにより術前シミュレーションにある程度の補正を加えることが可能になりつつある。 今後はこれらの経験を生かして、さらに精密な術前シミュレーションの構築を目指し、正確で確実な治療を遂行し臨床効果をさらに高めていく計画である。
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Research Products
(8 results)