2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591476
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川辺 睦 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (30403471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花元 克巳 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (20335590)
三村 秀文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10304362)
深井 喜代子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70104809)
片岡 隆浩 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (40509832)
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Keywords | インターベンショナルラジオロジー / 医療放射線防護 / 皮膚線量 / エアギャップ |
Research Abstract |
エックス線透視を用いたIVR診療は、脳や心臓の血管系疾患や癌に対する非侵襲的治療法として大きな成果をあげているが、手技が高度になるほど透視時間が長くなる傾向があり、患者の皮膚に潰瘍や瘢痕などの傷害をもたらす事例が散見されている。本研究では、IVR診療におけるエックス線装置の配置が特殊なジオメトリのもとで行われることに着目し、患者皮膚に入射する散乱線を除去することにより10%程度の被曝低減を目指す。平成22年度は、臨床IVR装置における検査台からの散乱線をモンテカルロ計算を用いて電離箱で実測した結果と比較検討した。その結果、患者皮膚線量への散乱線の影響が明らかとなったが、エアギャップ代用法による効果が実測定で得られた結果ほど多い結果とならなかった。また、よりエアギャップ効果の高い検査台を試作するために検査台表面の材質であるカーボンファイバーを格子状にして実測定を試みたが、臨床で患者がうける不快感を考慮すれば、得られる線量低減は小さいといわざるを得ないことも分かった。そこで、表面材質をポリイミドフィルムに変更して、薄膜化による相互作用の低減化を試みた。基礎的データの取得ではポリイミドフィルムの有効性を示唆できたが、臨床IVR装置を用いた測定では、受光系のエックス線に対するワイドレンジが原区で大きな差はなかった。したがって、検査台の材質変更より発泡ポリスチレンによるエアギャップ代用法を用いた被ばく低減法を実践することが、臨床的見地から有益と判断された。
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