2008 Fiscal Year Annual Research Report
3次元CTを用いた胃癌内視鏡的粘膜下層剥離術粘膜つまみ法の開発
Project/Area Number |
20591479
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松浦 秀司 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 助教 (40419594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 医員 (90419565)
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Keywords | 3次元CT / 胃癌 / 内視鏡的粘膜下層剥離術 |
Research Abstract |
手技が難しい胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術をより容易な手技とする新しい手技を開発することを目的とする研究で、研究期間平成20年、21年の2年間の内の初年度である。具体的には内視鏡的粘膜下層剥離術の手技中に大きな問題となる、電気メスによる胃粘膜下層の結合組織の剥離中に誤って起きる可能性がある固有筋層の損傷による医原性胃穿孔を防止することを目的として、胃粘膜組織を固有筋層から十分分離した状態を保つ手法として、「粘膜つまみ法」 をブタ胃を用いて開発する。まずは実際の内視鏡的粘膜剥離術の際と近似した状況を作製する為に、大弯にて切開・伸展させた胃内視鏡トレーニング用のブタ胃に電気メスの焼灼痕にて偽病変を作製、その直下の粘膜下層に生理食塩水を1mlから1ml刻みで10mlまでの注入量で各々局注、粘膜組織のlifeingを行った。今後3次元CTによる解析を行う為生理食塩水には非イオン性造影剤(Iopamiron300)を20倍希釈になるように混和した。また本研究は医原性胃穿孔の防止が目的であるので偽病変は胃壁が比較的薄い弓隆部から胃体部に作製した。研究計画に従いliftingした粘膜組織を用手的(医療用ゴム手袋使用)に固有筋層と分離するようにつまみ上げを試みるも、粘膜組織が極めて滑りやすく十分に把持する事は不可能であった。ブタ胃に大量に付着した粘液の影響も大と考えた為、あらかじめ微温湯で十分にブタ胃粘膜を洗浄・粘液除去した後に再度つまみ上げを試みるもやはり非常に滑る為十分な把持は不可能であった。現在、注入液成分の変更(ビアルロン酸、グリセオール)にて再検討中である。今後用手法に代わり機材(把持鉗子(オリンパス社製、FG-47L-1等))を用いた粘膜のっまみ上げを行い、粘膜をつまみ上げた状態での3次元CTを撮影、粘膜組織と固有筋層との関係の解析・評価を行う。
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