2009 Fiscal Year Annual Research Report
3次元CTを用いた胃癌内視鏡的粘膜下層剥離術粘膜つまみ法の開発
Project/Area Number |
20591479
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松浦 秀司 Kyushu University, 大学病院, 助教 (40419594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 医員 (90419565)
古森 正宏 九州大学, 大学病院, 医員 (90529819)
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Keywords | 早期胃癌 / 内視鏡的粘膜下層剥離術 |
Research Abstract |
内視鏡的胃粘膜下層剥離術(以下ESD)は現在1チャンネルスコープによる切開剥離ナイフ1本のみによる手技の為時に安全な処置に難渋する。本研究では2チャンネルスコープ・把持鉗子による胃粘膜の把持・牽引挙上(つまみ)の併用にて処置の安全性を高めた新しいESDの手法の開発を目的とした。2チャンネルスコープ・把持鉗子は既に市販されており本手法の安全性が確認できればただちの臨床応用が可能と思われる。ESDにおいては固有筋層の損傷による穿孔が非常に重大な合併症となるが現在まで胃粘膜を把持した際の病変下の粘膜下層の状態は明らかではなく、これを知ることは本手法の安全性の確保の為に極めて重要である。今回ブタ胃の粘膜下層にビアルロン酸3cc(CT撮影の為非ヨード性造影剤を混注)を局注して胃粘膜を膨隆させ、実際のESDとほぼ同様の条件を作成、これを3次元CTで撮影して粘膜下層の状態を明らかにすることとした。当初は実際に使用される把持鉗子にて膨隆部を把持した状態で3次元CTの撮影を試みたがCT撮影中胃粘膜を把持することは極めて困難(把持鉗子が外れてしまう)であり、その代りに把持部に相当する部に絹糸をかけ牽引することで代用することとした。把持部(絹糸をかける部)および牽引の方向は実際臨床上のESDでの状況を考慮し、以下の5通りで各々10例ずつ行った。(1)膨隆部頂点を把持・垂直に牽引、(2)膨隆部頂点を把持・斜上45°に牽引、(3)膨隆部辺縁を把持・垂直に牽引、(4)膨隆部手前辺縁を把持・斜上45°に牽引、(5)膨隆部奥辺縁を把持・斜上45°に牽引。これらを把持牽引していない膨隆のみの状態と比較した。膨隆部奥辺縁を把持・斜上45°に牽引した際は、膨隆部手前側の固有筋層の厚みが減少し、本手法において剥離の際に注意が必要となることが示唆された。
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