2010 Fiscal Year Annual Research Report
診断用X線装置品質管理システムの開発・普及に関する研究
Project/Area Number |
20591482
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安部 真治 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (80192996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 泉 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (50204160)
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Keywords | 医療・福祉 / 放射線 / 放射線管理 / 放射線機器管理 / 診断用X線装置 / 乳房用X線装置 / 品質管理 |
Research Abstract |
平成22年度は、平成21年度に引き続き、東京首都圏を中心とした各施設の診断用X線装置の品質管理を行った。実施施設は、昨年と同様首都大学東京を含め、東京、埼玉、神奈川県の病院7、検診機関5、教育施設2の合計14施設である。首都大学東京で開発した非接続形X線装置測定システムを用い、各施設が統一した測定方法、測定プログラムによって、平成22年4月~平成23年3月までの年間の診断用X線装置の品質管理を実施した。対象装置は、大小規模の施設にかかわらず、多くの施設で保有する一般撮影用装置及び乳房用X線装置について、X線装置の管電圧、管電流、撮影時間、X線量などの品質管理試験を行い、装置性能の継続した管理を行った。この結果、3年間を通じた各施設のX線装置精度の現状及び装置出力線量を把握できた。これより、最近のX線装置では、全体的に精度の向上がみられるが、管電流値はX線管の経年変化などの影響が比較的大きく、X線量は各施設の装置間で2倍以上の差がみられることなどが明らかになった。また、測定マニュアル、測定プログラムの見直しにより測定時間の短縮や手順の円滑化が可能となった。さらに日常点検のための簡易形X線出力計を試作し、X線出力波形の解析と定量化に向けた研究を行った。これらのX線装置管理を定期的に継続、把握することにより、装置故障の早期発見や性能の維持に有用と考えられる。本研究の成果の一部は、平成22年5月に日本医療機器学会、10月に日本保健科学学会にて発表した。診断用X線装置の品質管理の継続により、装置性能の維持管理、経年変化への影響、装置故障の早期発見など医療サービスの向上に有用と考えられる。今後は、小形で精度の高い品質管理システムの構築とさらなる品質管理の普及に努めることが重要である。
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